• "環境基準値"(/)
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  1. 大阪府議会 2021-09-01
    12月03日-11号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    令和 3年  9月 定例会本会議(2)    第十一号 十二月三日(金)◯議員出欠状況(出席八十四人 欠席〇人 欠員四)      一番  中川誠太君(出席)      二番  前田将臣君(〃)      三番  牛尾治朗君(〃)      四番  坂 こうき君(〃)      五番  魚森ゴータロー君(〃)      六番  角谷庄一君(〃)      七番  三橋弘幸君(〃)      八番  西元宗一君(〃)      九番  松浪ケンタ君(〃)      十番  塩川憲史君(〃)     十一番  西村日加留君(〃)     十二番  須田 旭君(〃)     十三番  奥谷正実君(〃)     十四番  山田けんた君(〃)     十五番  野々上 愛君(〃)     十六番  内海公仁君(〃)     十七番  石川たえ君(〃)     十八番  中野 剛君(〃)     十九番  原田 亮君(〃)     二十番  うらべ走馬君(〃)    二十一番  原田こうじ君(〃)    二十二番  中井もとき君(〃)    二十三番  冨田忠泰君(〃)    二十四番  西川訓史君(〃)    二十五番  奥田悦雄君(〃)    二十六番  みよしかおる君(〃)    二十七番  中川嘉彦君(〃)    二十八番  岡沢龍一君(〃)    二十九番  山本真吾君(〃)     三十番  上田健二君(出席)    三十一番  永井公大君(〃)    三十二番  前田洋輔君(〃)    三十三番  中川あきひと君(〃)    三十四番  おきた浩之君(〃)    三十五番  紀田 馨君(〃)    三十六番  いらはら 勉君(〃)    三十七番   欠員    三十八番   欠員    三十九番  河崎大樹君(〃)     四十番  泰江まさき君(〃)    四十一番  西林克敏君(〃)    四十二番  松浪武久君(〃)    四十三番  広野瑞穂君(〃)    四十四番  植田正裕君(〃)    四十五番  笹川 理君(〃)    四十六番  横山英幸君(〃)    四十七番  杉江友介君(〃)    四十八番  徳村さとる君(〃)    四十九番  金城克典君(〃)     五十番  橋本和昌君(〃)    五十一番  杉本太平君(〃)    五十二番  徳永愼市君(〃)    五十三番  しかた松男君(〃)    五十四番  藤村昌隆君(〃)    五十五番  中村広美君(〃)    五十六番  山下浩昭君(〃)    五十七番  大橋章夫君(〃)    五十八番  肥後洋一朗君(〃)    五十九番  内海久子君(〃)     六十番  加治木一彦君(〃)    六十一番  八重樫善幸君(〃)    六十二番  西野弘一君(出席)    六十三番  川岡栄一君(〃)    六十四番  大山明彦君(〃)    六十五番  垣見大志朗君(〃)    六十六番  林 啓二君(〃)    六十七番  西 惠司君(〃)    六十八番  西野修平君(〃)    六十九番  和田賢治君(〃)     七十番  富田武彦君(〃)    七十一番  中野稔子君(〃)    七十二番  坂上敏也君(〃)    七十三番  中谷恭典君(〃)    七十四番  久谷眞敬君(〃)    七十五番  鈴木 憲君(〃)    七十六番  西田 薫君(〃)    七十七番  森 和臣君(〃)    七十八番   欠員    七十九番   欠員     八十番  松本利明君(〃)    八十一番  土井達也君(〃)    八十二番  三田勝久君(〃)    八十三番  大橋一功君(〃)    八十四番  岩木 均君(〃)    八十五番  横倉廉幸君(〃)    八十六番  三浦寿子君(〃)    八十七番  三宅史明君(〃)    八十八番  奴井和幸君(〃)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         山本 讓     次長         川崎浩二     議事課長       瀬野憲一     総括補佐       佐藤 実     課長補佐(委員会)  高山泰司     主査(議事総括)   太上利宏    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第十一号 令和三年十二月三日(金曜日)午後一時開議 第一 議案第四十二号から第五十八号まで、第六十号から第六十三号まで及び報告第四十九号から第五十六号まで(「令和三年度大阪府一般会計補正予算(第八号)の件」ほか二十八件)    (質疑・質問)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件    ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○副議長(杉本太平君) これより本日の会議を開きます。    -------◇------- ○副議長(杉本太平君) 日程第一、議案第四十二号から第五十八号まで、第六十号から第六十三号まで及び報告第四十九号から第五十六号まで、令和三年度大阪府一般会計補正予算(第八号)の件外二十八件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 なお、議場内はパーティションを設置しており、また機械換気により空気を常時入れ替えておりますので、演壇での発言につきましては、発言を分かりやすくするためマスクを外して行っていただきますようお願いいたします。 通告により中川あきひと君を指名いたします。中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) 大阪維新の会大阪府議会議員団中川あきひとです。 それでは、通告に従い順次質問させていただきます。 まず、阪神高速松原線喜連瓜破付近の工事に伴う迂回路対策についてお伺いをいたします。 来年度より、阪神高速松原喜連瓜破付近の橋梁架け替え工事が予定されており、この工事では、工事区間を約三年間通行止めとすることが想定されていると聞いております。長期間の通行止めに伴い、迂回路となる高速道路や一般道での渋滞発生など、周辺地域や利用者への影響は大きいと考えております。 例えば、松原線を利用して大阪市内に向かう場合、松原線の通行止めにより、近畿自動車道阪神高速大和川線への迂回が必要となり、迂回路での交通渋滞悪化が心配されます。 そこで、通行止めに伴う交通対策についてどのような検討がなされているのか、都市整備部長にお伺いをいたします。 ○副議長(杉本太平君) 都市整備部長谷口友英君。 ◎都市整備部長(谷口友英君) 阪神高速松原線工事区間の通行止めに伴う交通対策につきましては、阪神高速道路株式会社が、一般道への交通影響を抑制する観点から、松原線の利用状況を踏まえた迂回利用などの検討を行っているところでございます。 具体的には、松原線を通過する交通に対しては、周辺の高速道路を利用した迂回を促すため、迂回時の料金が松原線利用時の料金を上回らないよう措置することを基本とした料金調整を、また松原線にある出入口を発着する交通に対しては、一般道を活用し、できるだけ渋滞が発生しないよう最適となる迂回ルートの設定、周知などの対策を検討しております。 さらに、これらの対策に加え、通行止めに関する分かりやすい広報や渋滞状況、所要時間の情報提供などについても検討しております。 大阪府としましては、引き続き阪神高速道路株式会社に対して、通行止めによる交通影響が極力抑えられるよう働きかけてまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) ありがとうございます。 御答弁にもありました工事期間中の迂回時の料金調整や、また渋滞状況の情報提供など分かりやすい広報、そういったもの全てが交通状況に大きく影響してくるというふうに考えますので、積極的な検討をどうぞよろしくお願いいたします。 それでは、続きまして、大和川線鉄砲ランプ堺線住之江ランプ乗り継ぎ制度の進捗状況と今後の課題についてお伺いをいたします。 パネルを御覧ください。 先ほどの答弁の中で、松原線の利用状況を踏まえた迂回の検討を行っているとのことですが、私は、とりわけ高速道路への迂回を促すような対策が重要と考えます。松原ジャンクションから大和川線を経由して湾岸線回りで大阪市内へ向かう場合、迂回距離が長く、時間もかかる上に、大阪港線の阿波座付近の渋滞区間を通行することになります。 私は、これまでも、大和川線鉄砲ランプ堺線住之江ランプ間の乗り継ぎ制度の適用について、利用者の利便性の向上の観点から、まずはETCの搭載車だけでもと早期実現を求めてきたところです。 大和川線と堺線で乗り継ぎ制度を適用できれば、大阪都心へ向かう場合に複数の経路選択が可能となり、工事期間中の阿波座付近への交通集中の緩和や、利便性が向上することによる喜連瓜破橋付近の一般道の渋滞緩和にもつながると思っております。 乗り継ぎ制度適用に向けた取組の一環として、阪神高速道路株式会社において、乗り継ぎ経路となる国道二六号や、その周辺道路の交通量や渋滞状況調査を行うなど、検討を進めてもらっているところではございますが、現在の検討状況や実現に向けた課題について、都市整備部長にお伺いをいたします。 ○副議長(杉本太平君) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英君) お示しの両ランプ間の乗り継ぎ制度の検討状況につきましては、阪神高速道路株式会社において、乗り継ぎ制度を適用した場合の交通状況変化の予測を実施しているところでございます。 これまでの検討で、松原線から大和川線へ迂回する交通利用が増え、大和川線から堺線への乗り継ぎ経路となる国道二六号の交通量が、現状に比べ増えることが見込まれており、とりわけ松原線の橋梁架け替えによる通行止めの期間中は二割程度の増加が見込まれていることから、この渋滞対策が当面の検討課題となっております。 引き続き、国道二六号の渋滞対策など乗り継ぎ制度導入における課題解決の方策について、国や阪神高速道路株式会社など関係者と共に検討してまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) ありがとうございます。 この乗り継ぎ制度の適用に当たりましては、国道二六号の渋滞対策が当面の検討課題ということなんですけども、様々なメリットもあることですから、引き続き乗り継ぎ制度適用に向けては、渋滞対策などの課題解決を関係者で検討していただきまして、せめてETC搭載車だけでも早期の実現に向けてしっかりと取り組んでいただきたいというふうにお願いいたします。 あわせて、松原線で予定をされております工事箇所につきましては、新技術なども活用していただいて現場作業を効率化するなどして、さらなる工事期間の短縮を検討していただくようにも要望しておきます。よろしくお願いいたします。 では次に、密集市街地対策についてお伺いをいたします。 大阪府では、昨年度末に大阪府密集市街地整備方針を改定し、令和七年度末に九割の密集市街地を解消し、令和十二年度末までに全域解消を目的とし、まちの防災性の向上、地域防災力のさらなる向上、魅力あるまちづくりを取組の柱として、解消に向けて事業を進めているところです。 私の地元の堺区では、平成二年から新湊地区において密集事業に着手し、老朽木造住宅の建て替えや除却の促進、主要生活道路や防災公園の整備など様々な事業を実施し、令和二年度末で、著しく危険な密集市街地五十四ヘクタールのうち三十六ヘクタールを解消したものの、十八ヘクタールが未解消となっております。 堺市では、この著しく危険な密集市街地の解消に向け、避難のしやすさの観点から、道路の拡幅整備を中心に事業を進めてきておりますが、部分的な拡幅にとどまっており、全域の解消には至らなかったことから、今後は確実な事業実施が必要であると考えております。 そこで、新湊地区における著しく危険な密集市街地の解消に向けた取組について伺います。 また、著しく危険な状態ではなくなっても、防災面や住環境面での課題がなくなるわけではありません。解消後を見据え、民間主体により魅力あるまちづくりが持続的に進むような取組が必要だというふうに考えます。 その観点を踏まえて、民間による建て替えが進む環境を整備することが重要であると考えまして、昨年十二月、都市住宅常任委員会におきまして、土地の流動化が期待できる敷地の境界確定を積極的に進めるべきと申し上げたところです。 そこで、この敷地の境界確定についてどのように取り組んでいるのか、併せて建築部長にお伺いをいたします。 ○副議長(杉本太平君) 建築部長藤本秀司君。 ◎建築部長(藤本秀司君) 著しく危険な密集市街地を確実に解消するには、危険性を効果的に低減できる事業箇所を特定し、積極的に老朽建築物の除却や道路整備を進めていくことが必要と認識しています。堺市では、新たに面整備の手法を用いた老朽建築物の建て替えと一体的に道路の整備を進めているところです。 府としては、その推進に必要な市のマンパワー不足を補うため、都市整備推進センターと連携し、技術者の派遣による支援を行っています。これらの取組を積極的に進め、令和七年度末までに堺市内における唯一の危険密集市街地である新湊地区の全域解消を目指してまいります。 また、敷地の境界確定は、建て替え等の促進の前提として必要不可欠であることから、昨年度の議員の御指摘を踏まえ、整備方針に境界確定の普及啓発を行うことを位置づけ、現在、大阪土地家屋調査士会に御協力をいただき、境界確定の重要性を啓発するチラシを作成しているところです。 今後、堺市をはじめ関係者と連携し、ダイレクトメールによる境界確定の積極的な普及啓発を行うなど、安全安心で、かつ魅力あるまちづくりが進むよう努めてまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) ありがとうございます。 ぜひ積極的に取り組んでいただいて、令和七年度末までに確実な解消をよろしくお願いいたします。 また、先ほどの御答弁で、境界確定の重要性を啓発するチラシを作成しているとのことでしたが、敷地の境界確定についてはその所有者が行うものであるため、今の状態から少しでも進むように普及啓発を着実に取り組んでいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 また、密集市街地におきましては、さきに伺った敷地境界の混乱をはじめとして、敷地の接道不良など様々な課題があり、民間による建て替えや土地活用が進みにくいことから、民間任せにするのではなく、行政もしっかりと関わっていくべきだというふうに考えます。 そこで、民間主体による建て替えが進むよう、境界確定をはじめ様々な環境整備のためにどのような取組を行っていくのか、建築部長にお伺いいたします。 ○副議長(杉本太平君) 藤本建築部長。 ◎建築部長(藤本秀司君) 建て替えが進む環境整備の先行事例として、寝屋川市においては、昨年八月に設立した不動産、建築、法律、金融などの専門家団体と連携した空き家流通推進プラットフォームを活用し、今年度から密集市街地をモデルとして、所有者が抱える建て替え時等の様々な課題に対してワンストップで対応し、解決方法を提案する取組を進めています。 また、都市整備推進センターでは、市と連携し、老朽木造住宅等の除却に伴う土地の売却に際して、境界確定に要する費用等の支援を行っています。 今後、寝屋川市の取組を他市へも展開するなど、市や関係団体と連携して、民間による建て替え等が進む環境整備に積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) 著しく危険な密集市街地の解消目標を達成するためには、道路整備などの確実な事業実施と、民間主体による建て替えが進む環境整備、この二つの取組を両輪で力強く進めていくことが重要であり、今御答弁をいただいたような新たな手法を用いてしっかりと進めていただきますよう、どうぞよろしくお願いをいたします。 そして、先ほど取り上げた敷地の境界確定に関してですが、境界が未確定という敷地が多い地域では、解消後のさらなる防災性の向上とまちの活性化において、大きな課題になると考えます。 例えば、このような地域では、戦前に敷地境界が曖昧なまま建物が建てられ、そのときは特に問題はなかったんですけども、その後に所有者の代替わり、また地区外への転居などで所有者がつかめず、隣接する敷地との境界を確定できないといった要因で土地の売買や建て替えが進まなくなったり、結果、維持管理されずに危険な状態で放置されるといった負の循環により、危険な空き家があるとも聞いております。 このまま手を打たなければ、所有者の特定がさらに困難となり、増え続ける危険な空き家を行政が代わりに除却せざるを得ないということも危惧されるため、所有者への境界確定の啓発はもとより、地籍調査の推進など、積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。 さらに、この境界未確定の問題は、密集市街地だけに限らず、府内の各地、さらには全国的な課題でもあると思います。そのため、地籍調査を所管する環境農林水産部とも連携をしていただいて、敷地の境界確定の推進に向け、国への働きかけなど、積極的に取り組んでいただきますよう要望しておきます。 では、次の質問に移ります。 大阪府と大阪市の港湾局を統合した大阪港湾局が設置されて一年がたちました。設置に当たり、府市一体となった取組の方向性を大阪“みなと”ビジョンとして取りまとめ、組織統合効果を発揮し、利用者ニーズに合った使いやすい港づくりを進め、大阪、関西の経済産業発展の一翼を担うことを目指していると聞いております。 この間、コロナ禍の状況下で、大阪みなとにおける物流面、にぎわい面において、営業活動など関係者との調整は困難であったかというふうにも思われますが、このような状況だからこそ府市の統合効果を発揮して、府市一体的に取組を進めることは重要であると考えます。 つきましては、大阪港湾局としてのこれまでの取組と、そして今後の方針について、大阪港湾局長にお伺いをいたします。
    ○副議長(杉本太平君) 大阪港湾局長田中利光君。 ◎大阪港湾局長(田中利光君) 大阪港湾局では、府営港湾と大阪港、おのおのが、これまで培ってきた情報、ノウハウ、ネットワークなどを共有、活用し、効率的、効果的な取組を進めてまいりました。 物流面では、大阪港湾局設置を契機に、昨年度は企画段階から府市一体的に取り組み、本年二月にオンライン形式で事業者に対する情報発信の場である大阪みなとセミナーを開催し、従来の会場形式の実績を超える三百五十名以上の方々に参加いただきました。さらに、今年度は、先月二十二日に、より幅広く参加いただけるよう会場とオンラインを併用した形式で開催するなど、積極的なポートセールス活動を実現しております。 また、今年度の新たな取組といたしまして、府営港湾の国内航路と大阪港の国際航路それぞれのネットワークを生かして、集貨を促進する補助制度を府市ともに創設し、八月より事業者公募を行っているところでございます。 さらに、これまで大阪市内で実施してきた海上交通社会実験につきましては、今年度、堺市がにぎわいづくりを進める堺旧港と大阪港をつなぐルートで運航することとし、先月十四日に実施したところでございます。 引き続き、物流やにぎわいづくりなど、府市一体の取組を通じ、利用者ニーズを捉え、新たな事業に展開するなど、より一層の取組の充実を図り、利用者に選択される大阪みなとづくりを進めてまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) ありがとうございます。ぜひ引き続き、府市一体の取組を進めていただきますようお願いをいたします。 それでは、それに関連いたしまして、海上の安全対策についてお伺いをいたします。 コロナ禍において、マリンスポーツに今まで以上にスポットが当たり、水上バイクを利用する人も多くなってきております。その一方で、本年九月には、兵庫県の淡路市で起こった水上バイクの死亡事故が報道で取り上げられ、関心が高まり、海上の安全対策が重要となっています。 大阪府の海上においては、二色の浜などマリンスポーツが盛んなエリアで水上バイクを利用する方も多く、過去には死亡事故も発生したと聞いております。 海上交通の安全は、主に海上保安庁の所管とは思いますが、港湾・海岸管理者である大阪港湾局として、水上バイクによる事故を未然に防ぐため、海上保安庁等と連携した取組が必要と考えます。 そこで、大阪港湾局長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(杉本太平君) 田中大阪港湾局長。 ◎大阪港湾局長(田中利光君) 大阪港湾局として、安全な水域利用を推進するため、海上交通安全法等を所管する海上保安庁や警察など、関係機関と連携した取組を行うことは重要と認識しております。 平成十七年七月には、二色の浜海水浴場におきまして、水上バイク利用者による痛ましい死亡事故が発生しましたことから、海上保安庁、警察、地元市及び府の関係部局で構成する二色の浜海岸沖事故防止連絡会議を設置しております。 この会議では、関係機関のそれぞれの役割分担を定め、事故の再発防止に向けた取組を行っており、大阪港湾局では、海水浴シーズンオイルフェンスの設置を行い、水上バイク海水浴エリアに入らないよう対処しております。 今後も、引き続き日々の巡視により港内の障害物除去等に努め、水域利用者の安全確保に取り組むとともに、海上保安庁や警察など関係機関と連携し、水上バイクの事故防止をはじめ、所管する水域のより安全な利用を推進してまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) ありがとうございます。 先ほどの質問で、先月十四日には大阪港と堺旧港をつないだ周遊など、海上交通の実証実験が実施され、今後は海上交通を充実させる取組を行う予定であるというふうにも聞いておりまして、将来さらに海上を利用する人が増えてくると予想されます。海上交通を推進していくに当たっては、安全対策は切っても切れない関係であり、むしろ第一に取り組む必要があります。 御答弁では、海上保安庁や警察などの関係機関と連携を図っていただいているとのことですが、引き続き密に連携を取っていただきまして、府域沿岸部の利用者のトラブル抑制と安全安心な利用を促進していただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、プラスチックごみ削減に向けた取組についてお伺いをいたします。 私は、次の世代にきれいで豊かな海を渡すため、環境改善に焦点を当てたこれからの取組で、大阪の海をプラスチックごみのないきれいな海にしていく必要があると強く思っております。 昨年の一般質問においても、大阪湾におけるプラスチックごみ対策について質問をさせていただいたところ、環境農林水産部長より、プラスチックごみのない大阪湾の実現を目指し、発生抑制、回収、啓発など様々な取組をしっかりと推進していくと御答弁をいただきました。 本年三月、府は、二〇五〇年までに大阪ブルーオーシャン・ビジョンの実現に向け、おおさか海ごみゼロプランや大阪ブルーオーシャン・ビジョンの実行計画を策定されたと聞いております。この計画の目標である二〇三〇年度までに大阪湾に流出するプラスチックごみ半減を達成するためには、プラスチックごみを出さないことや、プラスチック素材を別のものに転換していくことなどに力を入れていく必要があるというふうに考えます。 しかしながら、府民の皆様の中には、プラスチックごみを減らさないといけないというふうに思いながらも、行動に移せていない方が数多くいるのではないでしょうか。より多くの府民の行動変容を促すためには、日常生活で気軽に取り組めるようなきっかけや仕組みをつくり、府域全体で展開していくことが必要で、そのためには市町村との連携も重要であるというふうに考えます。 そこで、海洋に流出するプラスチックごみの削減に向けて、府としてどのように府民の意識改革、そして行動変容を促していくのか、環境農林水産部長にお伺いをいたします。 ○副議長(杉本太平君) 環境農林水産部長南部和人君。 ◎環境農林水産部長(南部和人君) プラスチックごみゼロの大阪湾を達成するためには、レジ袋有料化に続き、製造から流通、販売、使用に至る各段階での削減が求められる中、より多くの府民にプラスチック削減の具体的な行動を実行していただくことが重要と認識をしております。 そこで、食品や飲料の容器としてよく使われるプラスチックを削減するため、マイ容器やマイボトルで持ち帰りが可能な店舗を検索できるウェブサイトOsakaほかさんマップを本年十月に開設をいたしました。 また、陸域に散乱しているプラスチックごみの回収活動を活性化するため、ごみを拾いながらストレッチや筋トレなどができる運動メニューを企業と連携して開発し、市町村と共に、誰もが楽しみながら参加したくなる持続的な美化活動を展開しております。 今後とも、こうした取組を広く共有し、市町村と連携しつつ、府民の意識改革、行動変容を促し、府域全体でのプラスチック削減を推進してまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。 プラスチックごみ削減に向けた府民の意識改革の取組をお願いしますとともに、また次は大和川での水質改善の質疑に入りますが、ぜひそちらのほうも力を入れていっていただけたらというふうに思います。 今話しました大和川周辺の環境整備について質疑をします。 大和川は、笠置山地を水源とし、奈良盆地周辺の大小の支川を合わせながら西に流れて大阪府域に入り、石川、東除川、西除川を合わせて大阪湾に注ぐ六十八キロの一級河川です。かつては、水質が悪く、国管理河川での水質ワーストワンになったこともあり、汚い川というイメージが定着していましたが、私が地元で大和川クリーンキャンペーンなどのイベントに参加した際は、多くの魚が遊泳している様子が見られるなど、水質は以前よりも随分本当にきれいになっているのではないかなというふうに感じております。さらに、最近では、アユの遡上が見られるようになったとも聞いております。 しかしながら、近隣地域にお住まいでない府民の皆様の間では、大和川の水質が改善されていることがそこまで知られていないのではないでしょうか。 パネルを御覧ください。 このスライドは、国土交通省の大和川河川事務所が取りまとめた大和川水環境白書に掲載されております河川の汚れの程度を示す生物化学的酸素要求量の推移でございます。 昭和四十五年のピークを境に低下し、平成二十年以降は、グラフで青い線で示されている環境基準値を下回るなど、データからも水質の改善は顕著です。かつて汚れていた川が、今日これほどきれいな川になっていることを広く府民の皆様にも知ってもらい、今後も良質な水質を維持してもらいたいというふうに思います。 そこで、大和川の水質改善の取組について環境農林水産部長にお伺いいたします。 ○副議長(杉本太平君) 南部環境農林水産部長。 ◎環境農林水産部長(南部和人君) 河川の水質汚濁は、工場や事業場から排出される産業排水と、炊事、洗濯、トイレなど日常生活から排出される生活排水が主な原因となっております。 大和川の水質改善の取組についてでございますが、産業排水につきましては、流域の工場や事業場に対する排水基準の遵守指導や未規制事業場の排水管理の徹底を指導してまいりました。また、生活排水に関しましては、関係部局や市町村との連携により、下水道や合併処理浄化槽の整備を進めたほか、大阪府、大和川河川事務所、流域市町村が協力して大和川・石川クリーン作戦を開催するなど、府民への啓発を行ってきた結果であると受け止めております。 引き続き、上流の奈良県とも連携して、これらの取組を進めることで、西除川など流入する支川も含めて、大和川の一層の水質改善が図られるよう努めてまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) ありがとうございます。 引き続き、大和川の水質改善について取り組んでいただくようお願いをいたします。 御答弁にもあったように、大和川の水質は、関係者の皆様の取組が功を奏して、近年大幅に改善をされていることから、大和川を重要な地域資源の一つとしてまちづくりに活用することが必要だというふうに考えております。 大阪府では、グランドデザイン・大阪都市圏に基づき、豊かなみどりや水辺などの地域資源を生かしたまちづくりが進められており、大和川と同じく国が管理する一級河川の淀川において、民間団体と淀川沿川まちづくりプラットフォームを設立し、プロモーションビデオの制作や、まちづくり団体の相互参加による体験イベントを通じて魅力発信するなど、広域連携型のまちづくりが進められているというふうに聞いております。 大和川においても、淀川での取組と同じように、大和川のイメージを改善するための情報や魅力をしっかりと発信し、にぎわいを創出していくことで、沿川のまちづくりにつなげてもらいたいというのが私の思いでもあります。 そのためには、まず大和川に関係する地元市町や団体との連携を進めることが重要と考えますが、大和川周辺のまちづくりの取組について、大阪都市計画局長の所見をお伺いいたします。 ○副議長(杉本太平君) 大阪都市計画局長角田悟史君。 ◎大阪都市計画局長(角田悟史君) 河川を生かした魅力あるまちづくりにつきましては、地元市町や民間団体等との広域的な連携の下、豊かな水辺や歴史、文化等の地域資源を最大限に生かした取組を進めることが重要と認識しております。 大和川におきましては、国土交通省大和川河川事務所や地元市町、民間団体等と連携し、本年秋に初めての試みとして、大和川サイクル月間二〇二一を設定し、スマートフォンを活用したスタンプラリーなどを通じて、地域のイベントや大和川周辺の魅力的な資源を巡っていただいたところでございます。 今後、大和川サイクル月間二〇二一の取組の成果や課題を検証するとともに、民間団体、企業等との連携を強化し、対象地域や設定期間の拡大などを検討するなど、大和川周辺の魅力あるまちづくりを進めてまいります。 ○副議長(杉本太平君) 中川あきひと君。 ◆(中川あきひと君) 水質の改善によって大きく変貌を遂げた大和川の豊かな環境を地域資源として保全するとともに、例えば空飛ぶクルマなどの、陸上であればなかなか難しいインフラ整備も、川の上であれば規制緩和や、また法改正などでクリアできる可能性もあるというふうに考えます。 沿川各地域で進むにぎわいづくりと連携していただきまして、大和川をキーワードとして、広域連携による魅力創出の機会を広げ、ベイエリアと、また山間部のマウンテンエリアをつなぐまちづくりをしっかりと具体化し、進めていただきますよう強く要望をしておきます。 現在、大阪府と大阪市、そして堺市でベイエリアの活性化事業などをはじめ様々な取組が行われるようになってまいりました。直近では、大阪府と堺市が二〇二三年のG7誘致活動を行うと正式に発表があったところでもあります。これが実現されれば、二〇二五年大阪・関西万博の成功の大きな弾みになるものと考えます。 大阪が、さらに世界から注目される都市に近づくために、私も、地元選出議員としまして、しっかりと応援をしていきたいというふうに思います。 以上、るる申し上げましたが、これで私の一般質問を終わります。御清聴いただき、ありがとうございました。 ○副議長(杉本太平君) 次に、西野弘一君を指名いたします。西野弘一君。 ◆(西野弘一君) 西野弘一です。 委員会に次いでこの問題を取り上げたいんですが、私の地元のある小学校で、ある子どもさんなんですが、その子どもさんのお母さんは韓国にルーツのあるお母さんでしたけれども、日本籍です。子どもさんも当然日本籍で、名前はもちろん日本の名前しかありません。その子に対して、一部の教員が、あなたは朝鮮にルーツがあるからということで朝鮮読みのあだ名をつけて呼んでました。お母さんは、それはもう困ると、嫌だということで、何年もそういうふうにおっしゃったんですけれども、全然改善されませんでしたので、私のところに相談がありました。 それで、学校に行きまして話をしまして、ようやく、嫌だと言っている御家庭のところについては、その日本籍の子どもにルーツがあるからといって朝鮮のあだ名をつけないということになったんですが、本当にそれでいいのかなということを今日は質疑をさせていただきたいと思います。 学校側は、親の承諾があれば引き続きその朝鮮読みのあだ名で呼びますというふうに言ってるんですけれども、私はそれは本人がいいからといって言っていいもんじゃないと思ってまして、例えばその子どもさんが花子という日本の名前だとします。朝鮮読みするとファジャというらしいんですけれども、じゃその子どもさんだけを学校側はファジャさん、ファジャちゃんと呼んでると、周りの子どもから見たら何か特別扱いされているように見えるんじゃないかなと。それが妬みとか嫉妬を生みまして、それが日本人の子ども同士の中でルーツによって分断を招くんじゃないかなと、私はそう思ってるんです。 先日の教育常任委員会におきましても、この点について知事に質問しましたら、知事からも、原則本名で呼ぶべきだと御答弁をいただきました。 日本籍の子どもに対しては、原則本名で呼ぶことについて、例えば指針などで示すことができないのか、教育長のお考えを伺いたいと思います。 ○副議長(杉本太平君) 教育長橋本正司君。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 子どもの名前につきましては、日本籍の子ども、外国籍の子ども、いずれも、学校において、子どもの学籍を管理する公簿であります指導要録には本名を記載するよう、これまでから通知をいたしております。学校での子どもの呼び方につきましては、その記載に基づき、本名で呼ぶことが基本でございます。 一方で、家庭生活の状況などを踏まえ、教育的観点から通称で呼ぶことが望ましい場合もありますことから、保護者の意向も確認しつつ、適切に対応していく必要がございます。 このような認識の下、府教育庁として、改めて名前の扱いにつきまして、市町村教育委員会及び府立学校に指導してまいります。 ○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。 ◆(西野弘一君) 今の御答弁で、家庭生活の状況などを踏まえ、例外的に教育的観点から通称で呼ぶことが望ましい場合もあるということですけれども、恐らく想定されてるのは、離婚されて、どうしても旧姓でそのまま呼んでほしい場合とか、外国籍の方でふだんいわゆる通名というか通称名を使っておられる方がそれを使いたいとか、そういう場合には今御答弁でありましたような教育的観点から通称で呼ぶこともあるというふうに思いますけれども、しかし先ほど私が申し上げたのは、そうではなしに、保護者の了承を得れば本名に関係なくそういう韓国読みのあだ名で呼んでいいということを保護者に改めて確認してるんですね。これは、いわゆる原則本名ということではなくて、原則保護者の承認みたいな形になってると思いますので、今教育長が答弁された、例外には全く当てはまらないと思うんです。 日本籍、日本名しかない子どもに対して、韓国名のあだ名をつけることは、保護者の了承を得る得ないにかかわらず、これは完全に逸脱していることだと思ってますんで、改めてお尋ねしますけれども、原則本名を徹底し、保護者の意向にかかわらず、日本籍の子どもは日本名とすべきと考えますが、教育長のお考えを伺いたいと思います。 ○副議長(杉本太平君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 子どもの名前の呼び方につきましては、本名が基本でございます。議員お示しのケースにつきましては、原則から逸脱しているというふうに考えられ、府教育庁として指導すべき事案というふうに考えております。 ○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。 ◆(西野弘一君) 逸脱していると、指導すべきことと認識しているとしっかり御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。引き続き、徹底的に指導いただきたいなということをお願い申し上げたいと思います。 続いて、大阪府在日外国人施策に関する指針の記載について伺いたいと思います。 府は、平成十四年に策定した大阪府在日外国人施策に関する指針に、府における在日外国人の状況として、「歴史的な経緯を有する韓国籍・朝鮮籍の人々は、大阪府に居住する外国人の約四分の三に相当する約十六万人であり、日本に居住する韓国籍・朝鮮籍の人々の約四分の一を占めている。」と記載されています。 さらに、この「歴史的な経緯」というところに注釈がついていまして、その注釈には、「過去の植民地支配により、多数の朝鮮の人々が日本に来ることを余儀なくされ、その中の多くの人々が軍需産業や建設作業などに従事させられた。今日の在日韓国・朝鮮人の多くは、戦後帰国できず、日本にとどまることになった人々とその子孫である。」と記載されていますが、これは全くの事実誤認だらけで、こういう府が出す指針なのにこんなでたらめなことをよく並べたなというふうに私は思ってます。 まず、日韓併合は一九一〇年ですけれども、それ以降、いわゆるさきの大戦までの間に百万人ぐらいの方が、当時の言い方でいうところの日本内地に住まれるようになったんですけれども、この頃、朝鮮半島から日本の内地に移入してくる方があまりにも多かったので、どちらかというと移入を制限するような政策が取られてました。 例えば、一九三四年当時の岡田内閣は、「朝鮮人移住対策ノ件」を閣議決定しまして、朝鮮からの移入を阻止するために朝鮮とか満州の開発をして、そちらで仕事を見つけてもらおうということをやったりとか、密航が横行してましたので密航の取締りを強化することを閣議決定してるんですね。この指針にあるように、「余儀なくされた」ということであれば、移入を阻止する政策を打つはずがないと私は考えています。 さらに、終戦時には、二百十万人の朝鮮半島出身者が日本内地に在留していたのですけれども、「余儀なく」というと、大体イメージとしてはいわゆる戦時の徴用を連想する方が多いと思うんですけれども、これも外務省の発表によりますと、戦時徴用は実際のところ二百四十二人だけだったということですから、二百十万人中の二百四十二人だけですので、この文章にあるような多くが「余儀なくされた」という表現はちょっとやっぱり実態と合ってないというふうに私は考えています。 これは、歴史認識とか、アイデンティティーに関わる一番大事な問題でありますし、ましてや府の人権政策の根幹に関わる--この指針に書いてある文章でありますので、ここをこういった事実誤認がある状況のまま、「多数の朝鮮の人々が日本に来ることを余儀なくされ」たという反日史観みたいなものをこのまま指針に記しとくのはどうかなというふうに思ってるんですけれども、府が誤った歴史観に基づいて指針を定めているというのは問題であると思います。 早急に見直すべきと考えていますが、知事のお考えを伺いたいと思います。 ○副議長(杉本太平君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) 戦前から戦後にかけて、朝鮮半島から日本に来られたり、あるいはその後とどまることになった方々、これは様々な経緯があるというふうに認識をしています。 議員御指摘の大阪府在日外国人施策に関する指針につきましてですが、これは策定からもう二十年近く経過しているものでもあります。一層の多文化共生社会を今日的課題も含めて目指していく中で、この指針そのものについて見直しをしていきたいと思います。 ○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。 ◆(西野弘一君) この指針そのものを見直ししていきたいという御答弁でありますので、ぜひ早急に見直していただきたいと思います。見直すとおっしゃっていただいたので、再質問はもういたしませんけれども、実は昭和三十四年にも外務省が改めて発表しているものがありまして、その当時、第二次大戦中、内地に渡来した朝鮮人で現在日本に居住している朝鮮人の大部分は、日本政府が強制的に労働させるために連れてきたものであるというような誤解や中傷が世間の一部で行われているが、これは事実と反すると発表されました。その後、具体的にいろんな数字を発表されています。 戦争が始まるときには百万人だった方々が、終戦直前には二百万人に達していたということを先ほど申し上げましたけども、この増えた百万人のうちの七十万人は個別にこの日本内地で職を求めてきた人だと、もしくはその方々の子どもさんだということです。残りの三十万人の大部分は、土木事業とか当時大きな事業がありまして、その事業のたびに集団募集をしてた、そういったものに応じて自由契約に基づいて渡来したものであると数字も述べておられて、先ほども申し上げたように、いわゆる徴用で来られたというのは二百五十四人にすぎないということであります。 さらに、日本に残らざるを得なかったというか、帰れなかったというような言い方をされてるんですけど、そこも帰国できず日本にとどまることになった人々とその子孫という言い方がありますけれども、これも事実と違いまして、その同じ外務省の発表によれば、一九四五年八月から一九四六年三月までの間に日本政府の用意した船で九十万人が引き揚げられました。個別的に個人で船を調達して帰られた方がさらに五十万人、計百四十万人が帰られたと。さらに、その中でも、いわゆる徴用の労働者は優先的な便宜が図られたということでありますから、その二百四十五人の方についてもほぼ引揚げをされたということであります。 さらに、その四十六年三月に、当時のマッカーサーの命令で、日本は残っていた六十万人にも帰国希望の調査をかけてまして、その中でさらに八万人が引き揚げたということでありますので、知事は見直していただけるということでありますけれども、こういった部分については、必ず事実に沿った正しい歴史認識の下、見直しが図られることをお願い申し上げておきます。 この指針は、太田房江知事時代の二十年前の指針でありまして、それから二十年たって、歴史的な事実というものもかなり明らかになってることもたくさんあると思いますし、今日はこの部分だけ取り上げましたけれども、この外国人施策の指針についても、様々な部分で現在我々が考えている、認識していることとは違っているところも多くなってきてますし、また時代にも合っていないところがたくさん出てきていると思いますので、しっかりと早急に見直しをいただきますようにお願い申し上げたいと思います。 続いて、介護人材の不足についてお聞きします。 十一月十一日、実は、恥ずかしながら私も知らなかったんですけど、これは介護の日と定められているようでありまして、今年もこの介護の日に介護の理解や介護職へのイメージアップ、介護従事者への感謝の意を表する取組が行われました。吉村知事からもメッセージが発信されて、大きな反響があったと伺っています。今後とも、そのような取組は継続して行っていただきたいと考えます。 厚労省が発表した「第八期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」によると、二〇二五年度には大阪府内の介護職員の必要数が二十万九千五百十人に対し、供給見込み数が十八万五千九十人で二万四千四百二十人不足するという推計となっており、深刻な介護人材不足が見込まれています。 まずは、大阪府域における介護人材の現状や今後の介護人材不足が予測される中での大阪府の認識を福祉部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 福祉部長松本正光君。 ◎福祉部長(松本正光君) 介護・福祉分野は、既に極めて厳しい人手不足の状況にあり、今後の少子高齢化の進展を見据えますと、介護・福祉人材の確保は、広域自治体である大阪府として取り組むべき喫緊の課題と認識をいたしております。 そのため、府では、介護・福祉人材の量と質を確保するため、平成二十九年に大阪府介護・福祉人材確保戦略を策定し、参入促進、労働環境・処遇の改善、資質の向上の三つのアプローチにより事業展開を図っているところでございます。 今後も、介護人材の不足が見込まれる中、本戦略に基づき、引き続き取組を行ってまいります。 ○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。 ◆(西野弘一君) いろんな施策を講じていただくんですけども、やはりこの不足数からすると、私は外国人人材を積極的に受け入れるしか方法はないのかなというふうに思ってます。 そこで、さらなる外国人人材の確保に向けた積極的な府の支援が必要でないかと考えていますけども、外国人介護人材の円滑な受入れ支援策について、府として今後どう取り組んでいくのか、改めて福祉部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 松本福祉部長。 ◎福祉部長(松本正光君) 介護ニーズを必要とする方が増加していく中、介護人材のさらなる確保のためには、海外の人材、とりわけ成長著しいアジアの優秀な人材に目を向けていく必要があり、その円滑な受入れを支援することが重要と認識をしております。 そのため、府では、介護事業者団体等の関係者で構成する大阪府外国人介護人材適正受入れ推進連絡会議を設置し、円滑な受入れに向けた研修会の企画や支援策の検討を行ってきたところでございます。 今年度は、連絡会議の検討を踏まえ、介護事業者を対象とした受入れ制度の説明や受入れ事例の紹介等を行う研修に加え、施設などで働く外国人の方々を対象とした介護技能の向上等に関する研修や、外国人スタッフを指導する職員を対象とした指導方法等の研修を実施することとしております。 また、介護福祉士の資格取得を目指す方を対象とした介護福祉士修学資金貸付制度の周知にも努めておりまして、令和二年度の外国人への貸付けは、在留資格「介護」が創設された直後の平成三十年度に比べまして約二・五倍となっており、多くの外国人留学生に御利用いただいております。 今後とも、新型コロナウイルス感染症による入国への影響等を注視し、外国人介護人材の円滑な受入れに向けて、事業者等の御意見を伺いながら必要な支援を行ってまいります。 ○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。 ◆(西野弘一君) 今御答弁の中にありました貸付制度、五年間、大阪府で継続してお仕事をしていただいた場合はもう返還が免除されるという制度なんですが、これはもちろん日本の方でも使えるんですけれども、特に外国の方、外国人人材をこれから受け入れる、また定着していただくにはすごくいい制度だというふうに思っておりますので、実はこの制度はまだまだ周知が徹底されていないということも聞いておりますので、周知徹底にまた力を入れていただきますように要望をしておきます。 続いて、犯罪被害者等支援について伺います。 犯罪被害に遭われた当事者の方からの請願に応えて、平成三十一年四月に大阪府犯罪被害者等支援条例が制定されました。それから三年弱がたちます。条例制定以前からの取組に加え、条例制定を機に新たな取組を幾つか立ち上げ、支援の充実を図ったことは承知しています。一方で、そもそも犯罪被害者等支援を危機管理監所管の治安対策課において担当していることに以前から疑問を感じています。 犯罪は、基本的人権の侵害であり、不当に侵された基本的人権の回復を求めることは被害者の権利だと考えています。被害者の方も主張されてきたことであり、府が犯罪被害者等支援条例を制定するに当たって、有識者から意見を聞いた懇話会においても、被害者代表の委員の方が、条例の名称を被害者支援条例ではなく被害者権利条例にすべきと主張されていました。 危機管理監の下で犯罪被害者等支援を行うことが、こうした犯罪被害者の方々の強い思いに応える組織体制なのか。治安対策課では、罪を犯した刑余者の支援も担当しています。犯罪被害者の心情を考えたとき、それはいかがなものかと思います。 また、府民から見たときの見え方、逆に言えば行政として府民への見せ方というものもあります。例えば、犯罪被害者等支援の行事やイベントがあったときに、府からの来賓で来られているのが危機管理監か治安対策課長なんです。これは、来場者からすると違和感を感じているというふうに私は見ています。府の組織が分かっていれば違和感はありませんけども、一般の参加者からすれば、何で犯罪被害者等支援が危機管理なのか、治安対策なのかというふうにやっぱり思ってしまうのはこれは仕方がないと思うんです。 犯罪被害者等支援は、不当に侵された基本的人権の回復を支援するものなのだから、人権問題に取り組む部局において担当すべきと考えますが、知事、いかがですか。 ○副議長(杉本太平君) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文君) 府においては、平成十七年四月の犯罪被害者等基本法の施行を受けまして、安全なまち大阪の実現に向けて、治安対策課において、再犯防止を含めた犯罪の未然防止から被害者への支援までを一体的に実施しているところです。 犯罪被害者等支援については、国の担当官庁も警察庁でありまして、警察本部との連携も不可欠だと考えています。大阪府犯罪被害者等支援条例に基づいて設置している被害者支援調整会議についても、警察本部と共に運営するなど、被害者のニーズに沿った支援を行っています。 さらに、府全庁において、関連部署が相互に連携して施策を推進する必要もありますので、庁内対策会議を設置するなど、人権局も参画の上で犯罪被害者の方々に寄り添った取組ができるよう努めているところです。担当部局につきましては、現時点では危機管理監の下で担当するのが適当と考えていますが、今後とも、国の動向や社会情勢など様々な状況を鑑みながら、適切に判断をしていきます。 犯罪被害に遭われた方が置かれている状況は様々でありまして、必要とされる支援も多岐にわたっていますことから、引き続き国、市町村、民間団体とも連携協力をしながら、被害者の方々の心情に配意しつつ、支援にしっかりと取り組んでいきたいと思います。 ○副議長(杉本太平君) 西野弘一君。 ◆(西野弘一君) 御答弁では、現時点では危機管理監の下で担当するのが適当と、さらに被害者の方々の心情にも配慮しながら支援に取り組んでまいるということですので、ぜひ被害者の皆さんの声をまた聞いていただいて、人権の回復だということを幾度も会議でもおっしゃってますので、ぜひこの組織の在り方、何がいいのか、再度検討いただきますように要望しておきたいと思います。 最後になりますが、来年四月二十八日に、いわゆるサンフランシスコ講和条約が発効されてから七十年を迎えます。よく終戦の日はいつですかと聞けば、ほとんどの方が、八月十五日とお答えになるんですけども、私は八月十五日は終戦の日ではないと思ってまして、現にソビエトが侵攻してきた八月十八日には千島列島で実際に日本軍が戦っているわけでありますし、ポツダム宣言の受諾を国民に知らしめた日が九月十五日であって、九月二日に実際にミズーリ号の上で調印をしているわけであります。その後、七年間の占領を経て、ようやく昭和二十七年四月二十八日に主権を回復しているわけです。 よく戦後というと、昭和二十年八月十五日以降を戦後と捉えて、それから今までを同じ期間のように捉えるんですけども、そうではなくて、この昭和二十年から昭和二十七年四月二十八日の主権を回復するときまでを占領期というふうに近代史の中で捉えて考えることで、様々な問題点というのが浮き彫りになってくるんではないかなというふうに思ってます。 ぜひ、そういうことを考えるきっかけにするためにも、来年の四月二十八日は七十周年になるわけですから、何か府としても教育的なイベントをしていただいて、そういう中で、特に府立高校生なんかが参加できるようなイベントにしていただいて、この占領期というものをしっかり考えていただくきっかけにしていただけたらなと、そんなことも検討いただきますように要望しまして、質問を終わらせていただきます。 ○副議長(杉本太平君) 次に、河崎大樹君を指名いたします。河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 大阪維新の会の河崎大樹です。 大阪都構想の住民投票からおよそ一年が経過しての一般質問の機会となりましたので、まずは今後の大都市制度の在り方についてお尋ねをしていきたいと思います。 去る十一月十六日に、全国二十の政令指定都市で構成される指定都市市長会が、多様な大都市制度の早期実現を求める指定都市市長会提言なるものを取りまとめ、特別自治市制度の法制化について検討を行うよう国に求めております。 指定都市市長会が提唱する特別自治市、一層制の地方自治体として、道府県がその市域内において担う事務を自らが処理をするとされています。つまり、道府県から独立した形の自治体となります。 特別自治市制度については、全国知事会においても、過去には特別委員会を設置して議論されたと聞いておりますが、この委員会でどのような意見が出されたのか、また今般の指定都市市長会の提言を受け、全国知事会ではどのような動きがあるのかを政策企画部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 政策企画部長大中英二君。 ◎政策企画部長(大中英二君) 全国知事会では、平成二十四年二月に地方行政体制特別委員会を設置し、特別自治市制度を含む地方行政体制に関する諸問題について協議が行われました。 特別委員会では、指定都市市長会が提唱する特別自治市制度につきまして、指定都市の独立に伴う道府県の果たす広域調整機能の低下、権限の集中や住民との距離が離れることで住民自治機能が十分に発揮されなくなる、さらには警察行政や河川管理など広域での取組は慎重に対応すべきなど、反対・慎重意見が多く出されました。 なお、今般の指定都市市長会の提言に対しまして、現時点では全国知事会では特段の動きはなく、先月二十六日に東京で開催されました全国知事会議でも議題に上がっておりません。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 過去の全国知事会の委員会の議論は、反対・慎重意見が多かったとのことですが、直近の先月二十六日の全国知事会では議題にすら上がらなかったということであります。 実は、先般の指定都市市長会において、この特別自治市の提言について議論されたときに、大阪市の松井市長が、自治制度の在り方を根本から変える覚悟、確信、そういったものがこの提言書に果たしてあるんですかと問題提起されておりました。この二十都市の市長さんが集まっているわけですから、それぞれのお考えは違いがあるとしても、そもそも道府県から独立すべしといった特別自治市を本気で実現するには、政治的にも行政的にもそれはそれは莫大なエネルギーがかかるわけです。それを、法制化を求める提言書なるものをまとめて国に訴えましょうなんてことだけで実現するわけはありません。 大都市制度の在り方、考え方、これ、もちろんいろいろあっていいと思うんですが、この特別自治市の取りまとめられた最終報告書、これ三十二ページあるんですけど--ちょっとパネル出してほしいんですが。 これ、三十二ページ中一番最後のページですね。じゃ、これスケジュールどうすんのというのが記されてるんですね。少し小さくて見にくいと思うんですが、何が書かれてるかというと、シンポジウムやりましょう、インターネットで発信しましょう、国会議員に説明します、経済界と連携しますという何の具体性もないふわっとしたことを書かれているんですが、見ると腹立ってくるんですけど、特別自治市を実現しようというんであれば、せめて知事会に反応してもらえるぐらいのものを作っていただきたいなと言いたいんですが、文句ばっかり言ってもしようがないので、次にいきますね。 大阪で都構想否決後においても、大阪府市の広域行政に関わる仕事、これを一本化するということで、本年十一月一日に大阪都市計画局が設置され、既にもう業務もスタートしております。主な業務は、グランドデザインなどのまちづくりの企画、うめきたなどの広域拠点開発などがありますが、本年五月議会で我が会派の横山議員がこの大阪都市計画局に対する期待について質問した際、吉村知事より、局長マネジメントの下、府市の垣根にとらわれない柔軟な人事配置により、これまでの市域・市域外という守備範囲を超えた真に一体的な組織運営を徹底し、今後の大阪の成長発展を支えるまちづくりの司令塔を目指すと、こういう御答弁をいただいておりました。 この組織設置から一か月経過しておりますけれども、府市一体となってどのような組織マネジメントを行っているのかを大阪都市計画局長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 大阪都市計画局長角田悟史君。 ◎大阪都市計画局長(角田悟史君) 大阪都市計画局は、現在、大阪府職員百五名、大阪市職員二十八名と民間や他市の研修生を含め合計百四十名で組織しており、このうち、りんくうタウンや箕面森町等の業務に係る職員を除き、ワンフロアで府市職員が相互に情報を共有しながら業務を進めているところでございます。 府市の職員が一体となった組織運営を目指し、大阪府職員が、うめきたなど大阪市内の広域拠点開発の業務を、また大阪市職員が大阪府の都市計画や大阪市域外のまちづくりの業務を担うなど、人事交流や兼務等の手法を幅広く活用、工夫いたしまして、府市の垣根にとらわれない人事配置を行っているところでございます。 今後とも、府市一体の組織として、広域拠点開発における府市間の調整の迅速化等により、事業実施までのスピードの向上を図るとともに、大阪府域のまちづくりについても、府市それぞれのノウハウなどを最大限に発揮し、組織統合の効果が府内全域に波及していくよう組織マネジメントに取り組んでまいります。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) ありがとうございます。 パネル二枚目を御覧いただきたいんですが、これ組織図なんですけれども、府と市の職員がどう配置されたか、ちょっと細かくいろいろ聞いてみたんですけど、右側の下二つの--これもちょっと字があれですね、戦略拠点開発課とタウン推進課と組織があるんですけど、こちらの二つは、いわゆる大阪府の部署が横滑りしてるだけと言ったらあれなんですけど、職員も府の職員しかいません。これ始まったばかりのだから仕方ないとは思うんですけど、来年度の人事異動からはさらに柔軟な人事配置で、府と市、一足す一が三とか四とかそういった大きな力になる組織、それこそ大阪の成長を牽引していく組織になるように要望をしておきます。 二重行政が起こり得ない広域行政の一元化、このチャレンジングな取組は、ここ大阪では着実に前へと進んでおりますけれども、次に基礎自治体の在り方という視点でもお尋ねしたいと思います。 大阪府域での今後の市町村合併というテーマは、後日、我が会派の中谷議員が一般質問で取り上げるとのことで、私からは政令市との合併ということで、ちょっと絞ってお尋ねしようと思います。 例えば、大阪では、かつて堺市が美原町と合併し、政令市となったり、埼玉では浦和市、大宮市等、幾つかの自治体が同時に一緒になって、さいたま市という政令市になったと、そんな例があります。 このようなよくある政令市になるときの合併というケースではなくて、既にある政令指定都市が他の市町村を編入する、吸収合併的な方式ともいいますか、そうして成立した合併例、これがどれほどあるのかということと、もう一点、これは政令市に限らずですが、いわゆる飛び地、離れたところ同士での合併例、これが全国にあるのかどうか、この二点を総務部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 総務部長太田浩二君。 ◎総務部長(太田浩二君) 全国的に市町村合併が積極的に推進をされました平成十一年以降で見ますと、政令市が他の市町村を編入した事例は、平成十七年四月の京都市と京北町の合併など、全国で五件ございます。 また、隣接していない団体と合併を行う飛び地合併につきましては、平成十一年以降、全国で十五件でございます。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 次、パネルの三枚目をお願いします。 これ、ちょっとまとめてみました。今言った政令市のいわゆる吸収合併的な方法、比較的近年では四例あるそうなんですね。京都、広島、静岡の例は、近隣自治体が財政的にもかなり厳しいという状況で成立したものです。ただ、先ほど言ったさいたまなんですが、岩槻市はさっき言った一緒になってから二年後に合併してるので、ほぼ同時期ということで、ちょっとこのパターンは違うのかなというものでもあります。 もう一点、合併についてお尋ねしておきたいのが、現行の合併特例法、これ平成のいわゆる大合併時のような手厚い財政支援がない中で、これは現実問題としての市町村合併はなかなか進みません。合併を推進する上での有効な制度、いわゆるインセンティブはどのようなものが考えられるかを総務部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 太田総務部長。 ◎総務部長(太田浩二君) いわゆる平成の合併推進期には、総務大臣による市町村合併を推進するための基本指針の策定や、都道府県によります合併の組合せなどを定める構想の策定及び合併協議会の設置勧告など、国、都道府県の関与が法定されておりました。 また、当時、地方財政措置として、合併した市町村が、新しいまちづくりのための事業に活用できる合併特例債や、合併後十年間は旧市町村が存続したものとみなして交付税を算定いたします合併算定替えなどの制度が設けられていたところでございます。 いずれも、現行の合併特例法では廃止、縮小されておりますが、自主的な合併を推進する上で、地域の状況によっては同様の制度が有効かと考えております。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 今の御答弁ありましたけれども、具体的には合併特例債はもう既に廃止、あと合併後十年間の合併算定替えが五年に縮小をされております。インセンティブとしては、平成の大合併時と同等か、もしくはそれ以上のものがないとなかなか進まないのかなというのが現実だと思います。 ただ、例としては、政令市が救済型とも言うべき吸収合併するパターン、さらには飛び地の合併ということも先ほどの御答弁で全国十五例あるとのことでしたので、ここ大阪でも、政令市と、飛び地を含めた一般市町村との合併というものが理論上は可能です。本気でやるなら、これは不可能ではないなと僕は思います。 つい先日、大阪市会の議論で総合区とか行政区の在り方を進めていくという動きもあったようなんですけれども、都構想の否決をもってして基礎自治体の在り方議論、これが終わりではなく、むしろ今後の自治体の財政運営、これますます厳しくなっていくわけですから、しっかり備えるためにも、さらなるあるべき姿を追求して、実現に向けて歩みを進めていかなければなりませんし、今回の僕の質疑もその一助になることを願っております。 続いて、二〇二五大阪・関西万博の成功に向けて、三年半後に開催される万博に向けた交通手段という大きなくくりで幾つかお尋ねをいたします。 まず、ユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーの普及促進について。 このUDタクシーなんですが、高齢者、車椅子使用者、ベビーカー利用の親子連れさん、妊婦の方、大きなスーツケースを持った旅行者の方といった誰もが利用しやすいタクシーで、大阪でも大分見かけるようにはなってきたのかなと思いますが、令和二年三月末時点では普及率二・四%、台数は三百六十台とまだまだ少ない状況であります。 今後、万博開催時に向けたUDタクシーの普及促進は、都市整備部が窓口となり取り組むとのことですが、どのように進めていくのかを都市整備部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 都市整備部長谷口友英君。 ◎都市整備部長(谷口友英君) ユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーの普及に当たり、府としては、これまで事業者が国の補助制度を活用できるよう、補助申請に必要な計画に事業者の取組を位置づけるなど、必要な支援を行ってまいりました。 しかしながら、現在の大阪における普及率は低く、今議会でも御指摘をいただいたように、三年後に迫った万博開催に向け、より一層普及促進を図っていくことが重要であると考えております。 そのため、まずはソフト事業、規制改革に関する万博のアクションプランへの位置づけや財政支援の拡大を国に対し求めていくとともに、府自らも、関係部局が連携し取り組んでいくため、十二月一日にUDタクシー普及促進ワーキンググループを開催したところであり、今年度内をめどに普及促進に向けた方策について検討してまいります。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) つい先日にも、UDタクシー普及促進ワーキンググループが開催されたということであります。これからも、大阪府の主体的な取組でこの普及を進めていただきたいと思います。 続いて、空飛ぶクルマについてもお尋ねいたしたいと思います。 一年前の商工労働委員会で、この空飛ぶクルマ実現に向けて頑張ってくださいと小林部長にもお願いしたところでありますし、本定例会の我が会派の代表質問でも質疑を行っておりますけれども、民間事業者による実証実験や大阪版ロードマップ策定、こういう取組は着実に進んでいる一方で、世界中で激しい競争がなされているこの空飛ぶクルマの機体開発、製造、こういった分野でも大阪の企業がその最前線で活躍するようになっていただきたいですし、そのためにも大阪府が旗を振って産業として育てていただきたいと考えます。 国内の機体開発の現状と、今後どのように取り組んでいくのかを商工労働部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 商工労働部長小林宏行君。 ◎商工労働部長(小林宏行君) 空飛ぶクルマの国産機体の開発については、二〇二五年の万博での事業化を目指し、大阪府市と連携協定を締結したSkyDrive社が、今後、設計や製造を進めるために必要となる検査、いわゆる型式証明申請を国土交通省に提出し、十月二十九日に受理されました。これからの型式証明の検査過程で、機体に必要な耐空基準なども明らかになるものと考えられ、部品等に求められる仕様も具体化してくると思われます。このような中で、大阪の中小企業のビジネスチャンスも生まれてくることが期待されます。 府においては、官民の関係者が集まる大阪ラウンドテーブルを活用し、企業にはセールスを促すほか、機体開発や部品製造をはじめ、空飛ぶクルマのある社会を見据えた新たなサービスなどのビジネスマッチングに取り組み、空飛ぶクルマの経済波及効果の拡大を目指してまいります。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 今では、空飛ぶバイク、これはもう数千万円で発売されたとか、フランスでは空飛ぶタクシー、これも実用化に向けてなんていう話題もあります。一年前に部長に聞いたときから、このスピード感でいろんなことができてるということであれば、本当に万博までの三年半の期間で事業化、実用化できるのではないかなと期待も膨らむところであります。 現実的な万博の来場者輸送については、夢洲まで延伸される予定の地下鉄中央線、主要駅などからのシャトルバス、会場外駐車場からのバス輸送、そんな手段が検討されていると思いますが、現在どのように取り組んでいるかを政策企画部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 政策企画部長大中英二君。 ◎政策企画部長(大中英二君) 大阪・関西万博の来場者輸送につきましては、昨年十二月に博覧会協会が策定いたしました基本計画におきまして、仮称夢洲駅まで延伸される鉄道の利用が全体の四一%、主要駅などからのシャトルバスが二二%、パーク・アンド・ライドバス、タクシーなど自動車が三七%と想定されております。 本年七月には、博覧会協会におきまして、学識経験者、関係行政機関、交通事業者等で構成されます来場者輸送対策協議会が設置されました。この協議会で、基本計画に基づいた各輸送機関の計画を取りまとめるとともに、ICTを利用しました適切なルートや混雑状況などの情報提供、ピーク時間帯の交通負荷の軽減など、各アクセスルートのバランスの取れた利用を図るための取組を検討することとしております。 引き続き、本協議会への参加を通じまして、関係機関と連携しながら円滑な来場者輸送ができるよう取り組んでまいります。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 鉄道、バス、自動車、この利用割合がそれぞれ四一%、二二%、三七%と算定する具体的な数字を出しながらの検討が進んでいるとのことですけれども、これ足すと一〇〇なんですよね。つまり、来場者の輸送手段の想定は、鉄道、バス、自動車の陸上交通のみで今算定をされていることになります。 では、これまでの府議会でも議論されてきた水上交通についてはどのように取り組んでいるかを政策企画部長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 大中政策企画部長。 ◎政策企画部長(大中英二君) 大阪・関西万博の会場は、海に面し、川にもつながっていることから、水上輸送は利便性も高く、水の都大阪らしい輸送手段であると考えております。一方、陸上輸送と比べ、大量輸送を実現するものではなく、また悪天候による運休も想定されることから、それらを踏まえた上で利用していく必要があると考えております。 現在、水上輸送につきましては、博覧会協会が舟運事業者と意見交換しているところでございまして、今後、輸送対策協議会におきまして、運航主体や航路などの運航計画、係留施設から会場までのアクセスなどにつきまして検討する予定と聞いております。 また、インフラにつきましては、大阪港湾局が、夢洲に小型船舶用の係留施設を整備しているところでございます。 引き続き、水上輸送の実現に向け、関係機関などと連携して取り組んでまいります。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 今の水上交通の話の御答弁なんですけど、率直に言って、ちょっと具体的にまだ検討は進んでないのかなという印象を受けました。 水上交通については、博覧会協会が舟運事業者と意見交換してますというお話もありましたけれども、続いて博覧会協会と大阪府の連携というテーマでお尋ねをしたいと思います。 大阪・関西万博は、東京オリパラに引き続いての世界的なメガイベントでもありますし、コロナ禍を乗り越えていくその先の希望のともしびといった機運も醸成されつつあるとも私は実感をしております。 万博誘致活動の頃を振り返ると、当時の松井知事、吉村市長が、とんでもないスケジュールで世界中に足を運んで誘致活動を行っていたり、我々議会も、共に各国への働きかけや機運醸成の活動、これにも汗をかいてきたところでもありますが、何といっても大阪府市の職員が一丸となって夢と情熱をかけて頑張ってもらえたからこそ誘致を勝ち取れたものだと思います。 万博は、国、自治体、経済界が一体となって準備を進めるプロジェクトでありますけれども、実働組織としての博覧会協会--正式名称・公益社団法人二〇二五年日本国際博覧会協会--が、国の指定の下、組織されておりますが、万博の成功は、この協会の働き次第によるところが大きいのは言うまでもありません。 そのためにも、大阪府、市も含めてですが、協会と一層風通しよく連携を強めていく必要があると考えますが、政策企画部長の御見解を伺います。 ○副議長(杉本太平君) 大中政策企画部長。 ◎政策企画部長(大中英二君) 万博は、大阪、関西のみならず、我が国の成長を牽引し、持続的な発展へと導く国家プロジェクトでございます。大阪府は、万博を成功させるため、地元自治体として、開催者である博覧会協会に対しまして、会場建設費の一部の負担や職員派遣などを行っているところでございます。 開催まで三年半を切り、準備が本格化することから、来年一月には府市一体となった万博推進局を発足させることとしております。これを機に、協会とコミュニケーションをより一層図り、万博成功に向け、機運醸成やアクセス整備をはじめとする準備を推進していきたいと考えております。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 協会との話なんですけど、第一線で取り組んできた府市の職員さんが、さらに力を発揮できるような組織になることを願っております。ちょっと一部ネガティブな話なんかも耳にすることはありますけれども、応援しておりますので、よろしくお願いいたします。 時間がかなり迫っておりますけれども、最後に、今後の府立学校の在り方というテーマで質問させていただきます。 この十年間における大阪府の高校入学者の推移を見ると、全体として入学者数は減少している中で、年々私学への進学者の割合は増えています。パネルを見てもらってるとありがたいんですが。 当時七対三だった公私進学者の割合は、現在六対四に迫るような状況。これは、私学授業料無償化が大きな要因になっているのは間違いありませんけれども、これからさらに進んでいく少子高齢化、人口減少社会に対応すべく、私立学校の経営に対する必死さというものもひしひしと感じられるところです。 一方で、府立高校進学者の割合が、私学に対し、年々低下の一途をたどっております。さっきのグラフのように右肩下がりなんですが、まずこのような状況についてどう捉まえているのか、教育長に伺います。 ○副議長(杉本太平君) 教育長橋本正司君。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 府教育庁では、生徒減少を教育環境、教育条件等の教育の質的向上を図る好機と捉え、再編整備を行う中で、府立高校の教育内容の充実に取り組んでまいりました。 一方で、私立高校の授業料無償化制度の充実、拡大を背景としまして、私立高校を専願で受験する生徒が増加しますとともに、府立高校におきましては、全体として見ますと志願倍率は一を上回っておりますが、いわゆる志願の二極化によりまして志願割れとなる学校数や人数が増加するという傾向が続いておりまして、府立高校への進学者数の割合が年々低下する要因となっております。 今後、各府立高校のより一層の魅力づくりに取り組みますとともに、その特色や取組内容が、中学生やその保護者に十分伝わっていないといった指摘も中学校の進路指導の担当者の方からいただいておりますことから、各学校が、これまで以上により効果的な広報活動や情報発信を行うように努めていきたいというふうに考えております。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 教育長、次の魅力化の話、時間ないんでまた今度やらせてもらいます。すみません。 パネル、もう一回、次のパネル出してほしいんですけど、点線は、僕が勝手に書いた線なんですね。さっきのグラフ、さらに今後どうなっていくかというのをトレンド見てやったら、数年後にはもう公私五対五ぐらいになっちゃうんだろうなと。一番下が私学の高校入学者なんですけど、若干上がってきているなんて傾向もあったりします。 昨日の我が会派の前田議員も、公立高校の統廃合についての指摘議論がありましたが、その先が公私五対五とか、それ以上の比率になっても致し方ないと、そういう前提で計画立てていくのか、それとも私学の入学者ももっと減らすぐらいのそういう激しい競争、公立も生き残りをかけていくのか、そのあたりもちょっと、僕、教育常任委員会に所属してますけど、議論の中ではなかなか見えてこないので、引き続きのテーマとしていきたいんですが。 もう一点、中高一貫校、これについて少し議論したいと思います。 まず、一般的な中高一貫校のメリット、デメリットについてお聞かせいただけますでしょうか。 ○副議長(杉本太平君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 併設型中高一貫校につきましては、六年間の計画的、継続的な教育指導により生徒の個性や創造性を育むことができること、六年間にわたる系統的な指導による語学教育など、特色ある教育課程の編成が可能になるといったメリットがございます。 その一方で、内進生と外進生に分け、異なる教育課程を実施しなければならないケースがあることや、いわゆる高校入試がないことなどを背景として、生徒間で学習意欲に差が生じるケースがあるなど、生徒指導の面で留意すべき点が出てくるというふうに考えております。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 最後のパネルをちょっと出していただきたいんですが。 大阪府内の中学校を併設している高校数、これを私立、公立で数を調べました。私立は、九十六校のうちの六十一校、府立は百三十一校中の一校。これは富田林の中高ですね。右の大阪市立というのは、来年度大阪府に移管されると、そういう数字ですので、トータルすると公立は百五十分の三という数字なんですけれども、見てのとおり、圧倒的に公立の中高一貫校は少ない。私立も、内部進学の割合ですとか、あとは小学校が、大学がどう併設されているか、様々なケースがあるんですけれども、割合としては三分の二ほどがもう併設をされているということです。要するに、選ぶ側からすると、公立で例えば中高一貫校に行きたいと思っても、やっぱり選択肢として少な過ぎると思うんです。 ぜひとも、公立でさらなる中高一貫校の開設を検討していただきたいと思いますが、教育長のお考えをお尋ねいたします。 ○副議長(杉本太平君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 中学校の設置義務は、法令上市町村にありますことから、府立中学校の設置は例外的なものというふうに考えておりますが、府立富田林中学校・高等学校は、学校及び関係者から開設に係る要望書が提出され、地元の理解と協力、教育的効果が十分に期待できますことから設置を決定したものでございます。同校につきましては、一期生が六年間の教育を経て高校を卒業する令和四年度年末以降に、卒業生の希望進路の実現状況等を踏まえ、その成果について検証を行うことといたしております。 府立の併設型中高一貫校のさらなる設置につきましては、まず地元市町村や地域の理解を得られることが必要というふうに考えております。その上で、府立富田林中学校・高等学校の検証結果を踏まえ、他県の取組状況等を参考にしながら、併設型中高一貫校でしか実現できない特色ある教育課程、あるいはそれに対するニーズ等について研究をしていきたいというふうに思っております。 ○副議長(杉本太平君) 河崎大樹君。 ◆(河崎大樹君) 今、結局やりますとか広げますというお答えではないので、このテーマも、部局と様々な議論を重ねてきても正直後ろ向きだなと思ってしまいます。 先ほども触れましたけども、大阪市から中高一貫校二校が移管されるというこのタイミングでもそういう姿勢なので、私自身はすごく残念だなと思いますし、一方で設置ができない、しにくい、やりにくいという理由を僕が自分なりに考えたら、中学校設置は市町村、高校が都道府県の所管で、そもそも違うから、一貫校のメリット、六年間の計画的、継続的な教育指導が難しくなるとか、もっと言ったら教職員人事とか組織マネジメントの観点から一貫校のメリットが生かせないとか、そういうことが公立だから難しいんだよという話があるのでしょうけれども、だったら中高一貫校は公設置民営形式で広げていけばいいんじゃないかとも思うわけです。まさに、移管される一校はそういうものですから。 ちょっと時間が来たので、これで質疑を終わります。完全に時間配分を間違って、残りの二問はできなかったんですけど。すみません。 ちょっと精神論みたいな話になっちゃいましたけど、私も、緊張感、危機感、必死さということを持って、これから皆さんと議論をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。時間オーバーしてすみません。 以上で終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(杉本太平君) この際、休憩いたします。午後二時四十五分休憩    ◇午後三時十分再開 ○議長(鈴木憲君) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。 通告により西川訓史君を指名いたします。西川訓史君。 ◆(西川訓史君) 自由民主党・無所属 大阪府議会議員団の西川訓史でございます。 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきます。 今回の質問は、府民の皆様から要望や問合せがあった身近な問題について、大きな視点で五つの項目について質問をさせていただきます。理事者の皆様におかれましては、真摯にお答えをいただきますようよろしくお願い申し上げます。 初めに、感染拡大時の医療提供体制について質問をいたします。 コロナ禍において、地元の皆様から医療機関への受診に対しての問合せを多数いただきました。例えば、多くの病院がコロナ受入れ病院になっていることから、希望の医療機関でお産ができない、予定のがん手術を延期すると言われたなどの声があり、こうしたことからコロナ患者受入れ病床の確保に伴い、一般医療へ多大な影響を及ぼしたことが分かります。 府は、この間、医療機関の協力の下で、三つのコロナ専門病院を設置したとのことであり、病床確保に向けた取組方針としては、患者を受け入れる裾野を広げ、受入れ病院を拡充するという取組で、その結果、現在約三千六百八十床もの病床確保の見込みが立ったとのことであります。その一方で、先ほど私が申し上げた府民の悲痛な声があります。 私は、以前、八尾市が中核市に移行する際、保健医療サービスの広域的な対応、バランスを取る地域的単位が二次医療圏であるのであれば、二次医療圏の区域と保健所の所管区域を一致させることが必要だと議場において強く要望させていただきました。 今回のコロナ感染症において、まさに保健所がもっと存在感を発揮し、感染症に対応する病院と一般医療に特化する病院との役割分担の下、医療体制が確保できるような仕組みづくりが必要だったのではないかと改めて感じます。また、将来の医療提供体制を考えるときには、今回のような感染症が発生することを想定し、計画を早期に立てるべきと考えます。 府においては、二〇一八年から二〇二三年を計画年度とする第七次医療計画を策定、運用され、この計画において府全域での感染症に対する施策は示されていますが、二次医療圏ごとには想定されていません。 今後、新たな感染症が発生した際にも、感染症に係る医療と一般医療とが両立した医療体制が整うよう、コロナ禍の経験を踏まえ、次期医療計画を立てていくべきと考えますが、健康医療部長にお伺いいたします。 ○議長(鈴木憲君) 健康医療部長藤井睦子君。
    ◎健康医療部長(藤井睦子君) 新型コロナにつきましては、保健所単位での病床確保や入院調整が困難な感染規模となっていることから、府域全体の医療資源を最も効果的に活用する必要があることから、府が一元的に対応してきたところです。 今後の新興感染症等に関する医療体制につきましては、都道府県が定める次期医療計画に位置づけることとされており、その中で、平時から感染拡大に対応可能な病床などの確保や、医療機関の役割分担の在り方などを示すこととされています。 府としては、今後、国から示される基本方針等を踏まえ、感染拡大時における一般医療も含めた府域全体の医療体制の検討に併せて、二次医療圏単位の体制の在り方について、保健所が中心となり、各圏域で議論を行いながら検討を進めてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) 次期医療計画の策定時には、新たな感染症について検討されることはよく分かりました。 私としては、冒頭で述べましたように、医療提供体制の確保に当たっては、平時から保健所が中心となって医療機関と調整を行える存在でなければならないと考えております。計画策定に当たっては、この点をしっかりと踏まえていただいて検討をよろしくお願いをしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 次に、中学校の三十五人学級について質問いたします。 国は、義務教育標準法を改正し、公立小学校一学級当たりの児童数上限を今年度から段階的に四十人から三十五人に引き下げていくとされ、今年度は小学校二年生において引下げが行われました。 大阪府では、小学校三年生から中学校三年生の三十五人学級編制未実施の学年においては、国加配を活用して少人数習熟度別指導か三十五人学級編制を市町村が状況に応じて選択できるようにしていると聞いております。 そこで、三十五人学級を実施したことによる成果について、教育長にお伺いします。 ○議長(鈴木憲君) 教育長橋本正司君。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 国加配を活用しました三十五人学級編制を実施している市町村からは、一学級当たりの人数が少なくなったことにより、教員が、子ども一人一人と向き合う時間を確保でき、学習面でも生徒指導の面でもきめ細かな指導ができるとともに、宿題の添削やテストの採点、ノートの指導に係る時間が軽減されるなど、教員の多忙化解消の面においても効果があったという声を聞いております。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) 今般の義務教育標準法改正においては、中学校は対象になっておりませんでしたが、先日、末松文部科学大臣が、中学校の三十五人学級の実現について意欲を示しているとの報道がありました。 先ほどの教育長からの御答弁にもあったように、三十五人学級についての効果が上がっているということであれば、中学校においてもぜひとも三十五人学級を実現いただきたいと考えますが、教育長のお考えを再度お聞かせいただきます。 ○議長(鈴木憲君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 教員が、子どもと向き合う時間を確保し、一人一人に応じたきめ細かな学習指導や生徒指導を行うことは、小学校のみならず中学校においても、その必要性は変わらないというふうに考えております。 府教育庁としましては、小学校と同様、中学校におきましても三十五人学級編制は有効であり、必要と認識をしておりまして、今後も国加配を活用した取組を継続いたしますとともに、国に対して中学校での三十五人学級編制の実現について要望していきたいと思っております。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) 新型コロナウイルス感染症の影響で、子どもたちを取り巻く環境が変わってきており、子どもたち一人一人に対してきめ細かな対応をすることの重要性を切に感じているところであります。中学校での三十五人学級はもちろん、教育現場への専門人材拡充も含め、未来を担う子どもたちへの投資が必要と考えます。 これまでも、国に先駆けて様々な施策を実施してきた大阪府において、中学校での三十五人学級の実現に向けて、ぜひとも国に先駆けて制度化していただきますよう知事にお願いを申し上げます。 次に、AIを活用した結婚支援についてお伺いをいたします。 厚生労働省の人口動態統計を見ると、婚姻件数は二〇一一年以降低下傾向にあり、二〇二〇年には五十二万五千四百九十組と戦後最少となっております。 また、二〇一五年に国立社会保障・人口問題研究所が実施した出生動向基本調査の独身者調査における結婚に対する意識を見ますと、「いずれ結婚するつもり」と答えた未婚者の割合は、男女とも高い水準となっていますが、「適当な相手に巡り会わない」などの理由で、その希望がかなえられていない状況にあります。 このような社会情勢を踏まえて、国の少子化社会対策大綱では、結婚を希望する者への支援が重点課題に掲げられ、少子化の要因である未婚化、晩婚化を改善するための施策が求められています。 大阪府においても、結婚支援を子ども総合計画後期計画の取組として位置づけているとお聞きしていますが、社会全体で結婚に対する機運を高めていくため、これまでどのように取り組んでこられたのか、福祉部長にお伺いをいたします。 ○議長(鈴木憲君) 福祉部長松本正光君。 ◎福祉部長(松本正光君) 大阪府では、結婚を望む人の希望が実現できるよう、社会全体で結婚を応援する機運の醸成を図るため、平成二十九年度から民間の婚活サービス事業者三者と事業連携協定を締結するとともに、令和元年七月には市町村や商工団体等とおおさか結婚応援ネットワークを構築し、様々な団体等との連携協力の下、結婚支援に取り組んでまいりました。 さらに、経済的負担の軽減による結婚への後押しを図ることを目的に、新婚世帯や結婚予定の方が、協賛事業者のサービス等を受けられる、おおさか結婚縁ジョイパスをこれまで約四万組に配布してきたところでございます。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) コロナ禍において、感染防止対策が求められ、男女の出会いの機会が減少している中、出会いを促進するための環境整備が求められていると考えております。 パネルを御覧ください。 御覧いただいても分かりますように、他府県においては、AI等を活用した婚活支援を実施するところがかなり増えている状況にあります。令和三年八月一日現在の内閣府調査では、全国で実に二十二の自治体が、お見合いを実施する結婚支援センター等を設置した上で、AIマッチングシステムを導入していると聞き及んでおります。 AIマッチングシステムは、蓄積された登録者の情報等を基に、本人も意識していない観点から相性のよい相手を導き出すシステムであり、出会いの機会を創出する有効なツールの一つであると考えます。 結婚支援センターなどを設置して取組を行っている他県と府では、地方と都市部の違いや、民間事業者の状況など環境も異なっていますが、他県の動きも踏まえ、AI等の活用を検討すべきと考えますが、府として、今後どのような結婚支援に取り組んでいかれるのか、再度福祉部長の御見解をお伺いします。 ○議長(鈴木憲君) 松本福祉部長。 ◎福祉部長(松本正光君) 結婚を希望する人が、安心して一歩を踏み出すことができるよう、地域の実情に応じ、結婚支援に取り組むことは重要と考えております。 府では、結婚応援ネットワーク参加団体間での先進事例の共有や広報協力を実施するとともに、事業連携協定を締結している婚活サービス企業と共同で婚活パーティーやセミナーを開催するなど、民間の資金や経験、スキル等を活用した結婚支援を行っているところでございます。 今後とも、結婚支援については、AI活用などを含めた他府県の取組状況も参考に、民間団体や市町村等と連携して、出会いの場の創出などの取組を進めてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) 非常に前向きな御答弁をいただき、ありがとうございます。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って、人と人との接触を極力回避することが求められる中、若者の出会いの機会がかなり減少していると聞き及んでおります。行政が行うAIの婚活システムということであれば、利用者に安心感があることから、私が聞いたところ、一度利用してみたいというお声を多数いただきました。 今後とも、民間団体や市町村などと連携して結婚支援の取組を進める中で、府独自のAIを活用した取組について、ぜひとも御検討いただきますようよろしくお願い申し上げます。 次に、空き家対策について質問をさせていただきます。 令和三年二月議会の我が会派からの代表質問で、空き家対策を進める上では、まずは空き家を調査し、特定することが必要との観点から、東京都が実施している民間空き家対策東京モデル支援事業についてお聞きをしました。 この事業は、人工衛星やドローンで撮影した画像を活用し、人の出入りの有無をAIに判断させ、空き家と思われる場所を抽出する民間事業者の技術開発に対して財政支援するものであります。東京都の支援は終了し、人工衛星の撮影時間が限定されること、ドローン調査では航空法の規制などによる調査手法上の問題やプライバシーの問題など課題があり、民間事業者が、引き続き実用化に向けて取り組んでいると聞いております。 また、先日の新聞記事で、様々な空き家対策に取り組んでいる群馬県前橋市の事例が紹介されていました。前橋市では、国のスマートシティモデル事業を活用して、行政、民間が保有する固定資産課税台帳、住民基本台帳、車両計測画像データ等を用いて、AIが空き家を推定する調査手法の開発を行っているとのことです。 空き家対策の主体となる市町村においては、こうした調査手法が確立すれば、従来よりも費用負担が軽減されるだけでなく、空き家の特定がよりスムーズになり、機動的に対策が取れるのではないかと考えます。 空き家の特定については、民間事業者のノウハウや先進事例など情報を収集し、市町村に提供することが重要と考えますが、建築部長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(鈴木憲君) 建築部長藤本秀司君。 ◎建築部長(藤本秀司君) 空き家対策については、まずは市町村が空き家の実態を把握することが大変重要と考えており、議員お示しの前橋市の取組については、行政や民間が保有するデータを活用し、AIが空き家を推定することで、現地調査が必要な区域の絞り込みや、調査員による判断基準のばらつき解消にもつながり、調査コストの削減と効率向上が期待できます。 府としても、東京都のモデル事業も含め、こうした先進事例の取組を注視し、市町村へ空き家の実態把握調査に関する情報提供を行ってまいります。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) 先進事例の動向は、今後も注視して、市町村へのサポートをしっかりと行っていただきますようお願い申し上げます。 次に、さきの代表質問では、所有者不明空き家の解消において有効な制度として、財産管理制度の活用促進についても質問し、府作成のマニュアル等の活用や制度利用を円滑にするための国への要望を通じて、市町村へ支援を行う旨の答弁をいただきました。 また、これまでに府内では、所有者がいない場合の略式代執行が十一件、所有者が特定できる場合の行政代執行も十月に二件目が行われ、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている特定空き家の解消に向けた取組が行われていると聞いています。 空き家対策には、財産管理制度や行政代執行といった様々な方法がありますが、どの方法で進めるとしても所有者を特定する必要があります。府内では、他の市区町村に年間五百件を超える住民票や戸籍の公用請求を行っている市町村もあると聞いています。ところが、これらは、いまだに郵送で行わざるを得ないことから、回答を得るまでの期間は平均二週間、最長で一か月もかかり、複数人が空き家を相続した事案では、所有者を特定するだけで数か月かかることもあるとのことです。行政手続のデジタル化が進められている中、公用請求を郵送で行うことは極めて非効率だと考えます。 空き家対策を進めるためには、主体である市町村が抱える課題を解決する必要があり、支援する立場にある大阪府として、市町村が行う空き家の所有者特定についてどのような取組を行っているのか、建築部長に再度お伺いをいたします。 ○議長(鈴木憲君) 藤本建築部長。 ◎建築部長(藤本秀司君) 空き家の所有者を速やかに特定するため、今年度、内閣府による地方分権改革に関する提案募集で、他の市区町村への住民票や戸籍の公用請求を行う際に、住民基本台帳ネットワークシステム及び仮称戸籍情報連携システムを利用できるよう関係法令の改正を要望しました。 先日、内閣府の有識者会議において示された対応方針案によると、住民基本台帳のシステム利用については、関連法の改正案を令和四年通常国会に提出する予定とされました。また、令和五年度に運用開始予定の戸籍情報のシステム利用については、令和四年度中に結論を得て、必要な措置を講じるとされています。 本府からの提案内容が実現することで、空き家の所有者特定が円滑にでき、ひいては空き家対策の迅速化につながることが期待されます。 引き続き、空き家対策の主体である市町村の取組が円滑に進むよう、国への提案をはじめとした必要な支援を積極的に進めてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) 市町村が、空き家の所有者特定を速やかに行えるよう、地方分権改革の提案制度を利用して国へ要望を行い、前向きに対応していただける見通しとなったことは評価したいと思います。今後とも、速やかに対応できるための法改正の実現に向けて、地域の実情を国へ届けていただきますようお願いをいたします。 また、冒頭の新聞記事でも示されていたように、空き家の数は、ますます増加が予想されていることから、その実態把握や所有者特定を行うために市町村の負担もますます大きくなることが懸念されます。少しでもその負担を軽減するよう、市町村の取組を支援するという府としての役割を認識し、先進事例の紹介や制度改正などの要望、民間事業者との連携促進などを今後も積極的に実施していただきますようよろしくお願いを申し上げます。 最後に、違法盛土対策について質問いたします。 私の地元である八尾市において、土砂災害が発生する危険性のある山間部に産業廃棄物が数年前から断続的に搬入されており、盛土のようになっているので、熱海のような土砂崩れが起きるかもしれないため、対応してほしいと住民から強い要望がありました。私も、早速現地を確認しに行ったところ、廃棄物に土砂も多く交じっており、埋立造成されているように見えました。 このような行為が放置されれば、仮に大雨や、本日起こりました地震、大地震などがあった場合、土砂崩れが起きることも懸念され、非常に危険であると考えます。当該地では、まず廃棄物などを持ち込ませないようにしなければなりません。 八尾市以外の地域でも、同様なことがあると聞いており、私は、災害を防止するとともに、大阪府域の山間部を保全するためには、大阪府が責任を持って対応していただきたいと考えています。 まず、産業廃棄物の不適正処理への対応及び今回の八尾市の案件への対応について、環境農林水産部長にお伺いをいたします。 ○議長(鈴木憲君) 環境農林水産部長南部和人君。 ◎環境農林水産部長(南部和人君) 産業廃棄物の野積み、不法投棄などの不適正処理事案につきましては、府民の良好な生活環境の保全を図る観点から、廃棄物処理法に基づき、厳正に対処しなければならないと認識をしております。 本府では、日常的なパトロールや、府民や市町村等からの通報などにより、不適正処理の早期発見、早期是正に取り組むとともに、関係機関や業界団体とも連携し、排出事業者に適正処理の周知を行うなど、未然防止に努めているところです。 産業廃棄物に関する規制指導につきましては、都道府県及び政令指定都市、中核市のそれぞれが所管すると定められており、中核市である八尾市の事案につきましては、同市において対応されているところです。 本府では、法の運用や個々の課題への対応などについて、日頃から政令指定都市等と連携を図っております。本件につきましては、しっかりと状況を把握し、それに応じて、八尾市に対し、必要な協力をしてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) 環境農林水産部長の答弁では、産業廃棄物への対応については、八尾市の山間部における建築廃材などの廃棄物搬入に関しては、廃棄物処理法に基づき、中核市である八尾市が指導を行っているとのことでしたが、この夏頃からさらなる廃棄物の搬入が行われており、危険な状態であると感じております。 特にその一つである山畑地区は、砂防指定地内であることから、市だけに任せるのではなく、砂防法を所管する府としても何らかの対応ができるのではないかと考えるところです。 そこで、砂防指定地内で通常どのような指導を行っているのでしょうか。また、当該事案に対してどのような指導ができるのか、都市整備部長にお伺いをいたします。 ○議長(鈴木憲君) 都市整備部長谷口友英君。 ◎都市整備部長(谷口友英君) 砂防指定地内におきましては、河川への土砂流出防止のため、条例により、一定規模以上の宅地の造成や盛土など土地の形質の変更といった行為について許可を必要としており、無許可や許可条件に反する行為については是正指導を行っております。 議員お示しの事案では、廃棄物の搬入事案であるとの認識から、廃棄物処理法を所管する八尾市が対応することとなり、同市と情報共有を図ってきたところでございます。 しかしながら、この夏頃に搬入された廃棄物に土砂の混入が確認されたことから、今後は、市と連携して、定期的に行為の拡大がないか確認するなど、砂防法における対応を検討してまいります。 ○議長(鈴木憲君) 西川訓史君。 ◆(西川訓史君) パネルを御覧ください。 これは、先月の二十六日の八尾市山畑地区の自治会から大阪府知事並びに八尾市長に対しての要望書であります。大阪府は、緊急の危険がない限りは、違法盛土について通常行政が撤去することができないと聞いたことがあります。住民の切なる声である要望書を真摯に受け止めていただき、行政としての責任の下、対象業者に対する盛土行為の禁止を即指示し、搬入された盛土などの撤去並びに大阪府砂防指定地管理規則を厳格に運用し、厳しく行政指導していただきますよう強くお願い申し上げます。 遠くから見れば大阪の山々は、紅葉がきれいで心が癒やされますが、山を歩いてみれば要らなくなった冷蔵庫や洗濯機、クーラーのごみが捨てられ、今回質問させていただいた悪質な業者による産業廃棄物の廃棄場所となっており、何とも寂しい状況です。また、今回質問させていただいた場所は、高安山古墳の一部もある場所で、歴史、文化にも大きな問題があると思われます。 大阪の発展のためには、都市部に集中投資することが必要であることは理解しますが、大阪の魅力の一つである山の保全も真剣に考えていただきたいと切にお願いを申し上げます。 以上、るる申し上げましたが、吉村知事をはじめとする理事者の皆様におかれましては、今後ともスピード感を持って、よりよい府政運営を行っていただきますようお願い申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(鈴木憲君) 次に、植田正裕君を指名いたします。植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 大阪維新の会大阪府議会議員団の植田正裕であります。本日最後の質問者となります。もうしばしお付き合いいただければというふうに思います。 それでは、時間もありませんので、早速質問に移らせていただきます。 まず最初に、教育委員会における透明性の取組についてお伺いをいたします。 学校で起こった様々な問題、事態に対し、教育委員会をはじめとする教育関係者や学校からなされる説明について、保護者や府民の抱いている認識との間に乖離があるようにしばしば感じることがあります。事実、教育委員会の機能や意思決定の過程などが分かりにくくて不透明だというような声が、府民の皆様から私のところに寄せられている次第であります。 こうした府民の声に対して、大阪府教育委員会としては、どのような認識で受け止め、何を課題にしてどのように意思決定を行い、取り組んでいくのか、教育長にお伺いをいたします。 ○議長(鈴木憲君) 教育長橋本正司君。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 教育委員会の活動や教育委員会会議における意思決定のプロセス等を透明化していくことは大変重要であり、これまでから大阪府教育委員会では教育委員会会議を公開とし、議事録等を府ホームページに掲載することに加えまして、令和二年五月からはインターネットによるストリーミング配信を導入して、府民の教育行政へのアクセス体制を整備してまいりました。 さらに今後、各教育委員の活動等を分かりやすく公開するなど、さらなる教育委員会の透明化に向け、工夫してまいります。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 府教育庁が、透明性の改善のために一定取り組んでいる、そういうことは理解しました。しかし、教育委員会や学校が、閉鎖的で不透明だとの認識の払拭はまだまだ進んでいないように思います。 例えば、いじめ重大事態が発生した場合、その被害者たちに寄り添った調査が透明性高く行われなかったり、報道などによると、学校や教育委員会に責任はないなどとの断定的な発言を不用意に行うことなどを繰り返してきた結果が、こういう状態を招いているんだろうなというふうに思います。 十月に公表された文部科学省の調査によると、令和二年度に大阪府内の小中高等学校で発生したいじめ重大事態は四十一件あったといいます。 府教育庁として、小中学校のいじめ事態に対し、どのように取り組んでいるのか、またいじめ重大事態が発生した際の第三者組織の設置などについて、府教育庁と市町村教育委員会の役割分担はどのようになっているのか、教育長にお伺いします。 ○議長(鈴木憲君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 子どもたちが、安心して学校生活を送るためには、学校がいじめを早期に発見し、重大事態に至らないように対応することが必要でございます。府教育庁としましては、全教職員を対象に、いじめの未然防止に向けた自分たちの取組を振り返るチェックシートを提供しますとともに、いじめ対応に関する研修を毎年実施いたしております。 また、市町村教育委員会に対しましては、対応が難しいときには早めに府に連絡、相談するよう呼びかけておりまして、状況に応じてスクールカウンセラースーパーバイザー等から成る緊急支援チームを派遣し、解決に向けての支援を行っているところでございます。 しかしながら、いじめが重大事態に至った場合には、いじめ防止対策推進法に従い、学校の設置者である市町村教育委員会または当該学校が組織を設置し、調査を行うことになっております。その際、府教育庁では、市町村教育委員会の対応の進捗を確認いたしますとともに、必要な指導助言を行っておるところでございます。 今後も、子どもたちが、いじめで苦しむことのないよう、市町村との協力の下、府としての役割をしっかり果たしてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 開かれた教育委員会にしていくには、府民の声を丁寧に聞いて様々な取組に反映していくことが重要だと考えてます。このため、民意を代表する知事と教育委員会が、教育課題を共有する場である総合教育会議を活用して、十分に意思疎通を図りながら直面する課題に対応していく必要があると考えております。 そこで、総合教育会議の開催状況、成果について教育長にお伺いしますとともに、また先ほど取り上げたいじめ重大事態については、総合教育会議のテーマになったことがあるのかどうなのかも併せてお伺いいたします。 ○議長(鈴木憲君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 平成二十七年に改正されました地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、総合教育会議を設置し、例年年一回の頻度で開催をいたしております。 御質問のいじめ重大事態につきましては、総合教育会議を待つことなく、法律に基づき、適切な時期に知事に報告等を行っております。 これまで、総合教育会議におきましては、英語教育やインクルーシブ教育、またICT活用等につきまして、知事と教育委員会で課題を共有し、その解決に向けた施策につなげたり、私立学校関係者にも参加いただき、公私の優れた取組について共有してきたところでございます。 なお、昨年度につきましては、新型コロナウイルスに係る学校での対応が大きな課題でございましたが、大阪府新型コロナウイルス対策本部会議におきまして、知事と議論をする場がございましたことから、総合教育会議は開催してございません。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 年一回のペースで実施されてきたこと、そこでは重大事態に対して一度も協議の場に上がらなかったということ、それから令和二年度、つまり昨年度は開催されていなかったということが分かりました。様々な機会で知事に報告を行ってきたということでありますけれども、当該会議の意義を考えたとき、コロナ禍においても実施すべきであったんではないかなというふうに考えています。 また、教育課題は、重大事態以外にも数多くあるということを考えると、年一回の開催ではあまりにも少ない。これで本当に設置の目的を果たせているのかどうか、甚だ疑問に思わざるを得ません。 総合教育会議をもっと積極的に活用し、様々な課題にタイムリーかつ透明性高く対応していくことが望まれると考えるが、今後の活用について教育長にお伺いします。 ○議長(鈴木憲君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 学校現場での課題は、子どもの貧困問題をはじめ、教育の分野だけでは対応できないものが数多くございまして、総合教育会議で知事と総合的に協議することが課題解決に必要というふうに考えてございます。 今後とも、課題ごとの必要性を踏まえ、知事とも御相談しながら、適宜適切に総合教育会議で議論をしてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 少し話題を変えます。 私は、地元で多くの保護者と接する中で、都道府県教育委員会が持っている市町村立学校の教職員の人事権について、校長所管であるというふうに思っている方が多いなということが分かりました。 このように、保護者や府民から見て、学校の責任者である校長と教育委員会との権限の違いが非常に分かりにくいということも、閉鎖的という指摘を受ける一因だというふうにも思います。 そこで、市町村立小中学校の教職員の人事を中心に、学校長、市町村教育委員会、府教育委員会のそれぞれの権限や役割がどうなっているのか、またその仕組みは有効に機能しているのか、答弁を教育長に求めます。 ○議長(鈴木憲君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 市町村立小中学校の教職員の人事権は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律において、都道府県教育委員会に属すると規定されておりますが、市町村教育委員会による内申権と、校長による市町村教育委員会への意見具申権というものが別途定められておりまして、その意見が反映される仕組みとなっております。 府教育委員会では、法律の趣旨にのっとり、市町村教育委員会からの内申を尊重し、校長の学校運営ビジョンの実現を支援するため、適切に人事を行っております。 今後とも、校長がリーダーシップを発揮し、特色ある学校づくりを推進することができるよう、市町村教育委員会と連携し、教職員の人事を適切に行ってまいります。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 今回の質疑、答弁を通して、教育委員会の仕組みや取組の一端が明らかになったということについては非常によかったなと思っていますが、しかしこのような質問をしなければならないほど府民、市民から見ると教育委員会は不透明になっておって、また今回の質疑によってその全てを払拭できたとは到底思えないんです。なぜかというと、形や制度がいかに整っていても、機能しているか否かはその中身ということを府民の皆さんは知ってるからなんですね。 例えば、いじめ防止のための振り返りチェックリストは、現場の教職員がどういったときにどういうふうに活用しているのか、本当に書いているのかということもありますし、教職員の人事についても、市町村教育委員会の内申と異なる人事を大阪府教育委員会が独自に違った人事を出したというのは何件ぐらいあるのかというようなことも把握せなあかんのちゃうかなと。いじめ重大事態に対するために当該学校などが設置した組織の構成員とかを見るなどして、これらの取組が形骸化しているか否かというところはしっかり検証してみることなどが必要だなというふうに私は考えています。 教育長をはじめ教育委員会に携わる全ての皆さんは、このことを常に念頭に置いて、その活動の透明性を高める努力を不断に続けることが不可欠だと考えます。そして、何より公平公正を担保する仕組みを市民、府民の目に見える形で整備し、運用することが求められていると思います。さらなる改革を強く要望しておきます。教育長、よろしくお願いいたします。 次に、コミュニティ・スクールについてお伺いします。 コミュニティ・スクールは、学校と地域住民が一体となって特色ある学校づくりを実現できるものであり、風通しのよい学校づくりのために非常に重要な制度であると認識をしています。 今年度、府内小中学校においてコミュニティ・スクールを導入している学校数は、昨年伺ったときよりも十八校増加して、府全体で十二市町百四校となったというふうに聞いています。 確かに増加はしているものの、まだまだ不十分だと考えますが、府教育庁としてこの状況をどのように認識しているのか、またコミュニティ・スクールの導入に向けてどのような取組を行ってきたのか、教育長にお伺いします。 ○議長(鈴木憲君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) 大阪府では、全国に先駆けて地域と協働した学校づくりを目指し、学校協議会等を整備してきたところでございます。このことを背景に、令和二年度の国調査では、コミュニティ・スクールを導入していない要因として、地域住民の意見を聞くための類似の組織があると大阪府内の多くの市町村が回答いたしております。 府教育庁としましては、コミュニティ・スクールは、制度として学校協議会等より一層地域の声を反映できるものというふうに考えております。 そのため、コミュニティ・スクールの導入を促進するため、市町村教育委員会を対象とする連絡会に文部科学省から担当者を招き、コミュニティ・スクールにつきまして御講演をいただきますとともに、さきに導入をしている市町村教育委員会から好事例を紹介していただき、導入をしていない市町村教育委員会の検討材料としていただいているところでございます。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) コミュニティ・スクールの導入については、学校設置者である市町村教育委員会が判断するものであるということは承知しております。ただ、府としての支援も、大きな原動力になるというふうに考えています。 さらに導入を推進していくために、今後の目標について教育長にお伺いします。 ○議長(鈴木憲君) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司君) これまでの取組によりまして、令和四年度には、全ての市町村におきまして、全校または一部の学校でコミュニティ・スクールを導入、または導入を検討することとなってございます。 今後は、進捗状況を把握しつつ、それぞれの市町村の状況に応じて相談に応じるなど、個別の課題に対応し、全ての学校が地域と共によりよい教育を進める仕組みづくりを一層推進できるように指導助言に努めてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 答弁によると、令和四年度には府域全ての市町村で当該制度の導入、または導入を検討するということであります。それはそのはずで、文部科学省が、令和四年度末までに全公立学校への導入を目指すというふうに言っていることが大きく影響しているんじゃないかなというふうに私は考えています。重視すべきは、開かれた学校を実現するということの意義を本当に理解して自主的に取り組んでいる学校がどれだけあるかということだと思うんですね。 大阪府は、全国的に言えば、地域との連携がうまくいっているとの評価が高いというふうに聞いています。また、学校協議会といった類似制度があることや、特に大阪では大阪教育大学附属池田小学校の事件、それをきっかけに発足した地域教育協議会という制度が稼働している、機能しているということを理由に、当該制度導入に二の足を踏むところも多いというふうに聞いております。 しかし、それらといわゆるコミュニティ・スクール制度では、地域が学校へ関与できる権限が大きく異なっているのは皆さんも御存じのとおりです。逆に、そのことが教職員を消極的にしているとも考えられますけども、制度の導入によって現下学校で起こる教職員による体罰だとか、わいせつ行為などの問題防止にもつながっていくことになって、結果、教職員や学校への信頼を高めることは、働きやすい職場環境を整えるということにもつながっていきます。 埼玉県ですけども、全ての県立学校に義務づけた学校自己評価システムというのがあるそうで、学校が、保護者や地域住民のみならず、生徒とも意見を交わす仕組みを取り入れているということです。こうした先進事例を本府で新しい基準にして、当該制度の導入をさらに加速をしていただいて、強力に進めていただきたいというふうにお願いしておきます。 次に、宇宙産業への取組についてお伺いします。 今年七月、国が、宇宙政策の新たな展開を公表しました。そこには、「宇宙は成長産業であるとともに安全保障、防災、SDGs達成等にとって不可欠であるとの視点から、宇宙開発利用を強力に推進する」と記載がされています。 他自治体での宇宙産業への取組としては、愛知県、岐阜県が、平成二十三年にアジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区に指定されており、福岡県は、昨年、国から宇宙ビジネス創出推進自治体に選定されております。 府は、国から指定、選定をされていませんけれども、府内には、作れないものはないと言われるほど優れた技術を有するものづくり中小企業が集積しています。事実、平成二十一年には、東大阪市の中小企業の力を結集して小型人工衛星の打ち上げに成功しているところであります。 宇宙産業は、ものづくり企業が参入する宇宙機器産業のみならず、衛星通信、放送などの宇宙インフラを利用する宇宙利用サービス産業、衛星放送テレビやカーナビといった宇宙関連民生機器産業と裾野が非常に広い産業であります。 府においても、国の動きに遅れることなく、府内中小企業が、宇宙産業に参入できる環境づくりをしていくべきだと考えますが、商工労働部長に所見をお伺いします。 ○議長(鈴木憲君) 商工労働部長小林宏行君。 ◎商工労働部長(小林宏行君) 近年、成長産業としての宇宙産業に注目が集まっており、大企業とベンチャー企業の共創による異業種からの参入も増えています。 府として、宇宙産業分野への直接的な支援は、これからの課題と認識していますが、大阪には、ロケット部品や宇宙で作動する観測機器を供給するなどの高い技術力を有する中小企業もあり、これらに続く企業の育成が重要と考えます。 このため、宇宙ビジネスなど成長産業に挑戦するスタートアップの創業に向け、大阪のスタートアップ・コンソーシアムを中心に、資金調達の拡大や大学発ベンチャーなど、大阪産業局とも連携を図りながら取り組んでまいります。 また、こうした企業から先端技術の実証実験を求められた場合には、実証事業推進チーム大阪による実証フィールドの活用等を通じ、新たな領域へ挑戦する企業を後押ししてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 大阪をはじめとする阪神エリアの産業は、ものづくりにおいて重厚長大が尊ばれた時代に東洋のマンチェスターと言われるほど隆盛を極めておりました。しかし、日本産業全体のパラダイムシフトとグローバル化が進む中、在阪のリーディングカンパニーは東京に中心を移しまして、ものづくりを軸とした大阪産業の地盤沈下を加速する事態となっております。 かつて中小企業を牽引した大企業が東京へ移転してしまった今、優れた技術を持っている府内のものづくり企業を民間に代わって行政が引っ張り、リーディングカンパニーを育成していただきたいと切に思います。 特に新しい技術やアイデアをビジネスにつなげるためには、それらを形にするための資金力と、形になった後の情報発信力が重要だと考えています。情報発信力については、テレビのキー局が東京に集中するなど、東京と大阪の差が大きい、差があるというふうに言われてますけども、昨今のSNSなどのインターネットの利用率では東京と大阪ではそんなに大きな差はない、そして時間、場所を選ばずに受発信できるようになっていることなどから、このような企業を後押しできるよう、公民一体となって情報発信に注力をいただきたいというふうに思います。 国では、小型衛星による観測網、いわゆる衛星コンステレーション構想に向けて、二〇二〇年代半ばに衛星三基を打ち上げて実証実験を行う方向だというふうに聞いています。これを絶好の機会と捉え、大阪の企業や団体が、しっかりと食い込んでいかなければならないと考えています。 今回、具体に挙げた宇宙産業だけでなく、日本の将来に欠くべからざる技術や知見は何かを見極めて、資金調達と情報発信をリードし、そこに諦めることなく果敢に挑む人や団体をしっかりとサポートし、育成していく力の強化が喫緊の取り組むべき課題だと思います。 大阪のものづくり産業に残された時間は、そう長くないとの認識に立ち、危機感を持って、強く、そしてしっかりと取り組んでいただくようお願いを申し上げます。 次に、建築協定についてお伺いします。 建築協定は、住環境の維持を目的に締結され、建築できる用途や階数が制限されております。また、その協定の変更には全員の合意が必要であるとか、廃止するには過半数の合意が必要であるなどの厳しいルールが設定されています。 現在の社会情勢によって空き家も増えてきており、継続の意思決定においても全体の意思が反映されにくくなっているのではないかと懸念をしています。制度導入から半世紀が経過しており、まず実態を把握し、今の社会情勢で変えるべきところは変える必要があるというふうに考えています。 そこで、建築協定認可後の課題について、大阪府として実態をどういうふうに把握し、またそれを踏まえてどう対応していくのか、今後の方向性について建築部長にお伺いします。 ○議長(鈴木憲君) 建築部長藤本秀司君。 ◎建築部長(藤本秀司君) 建築協定は、建築基準法に規定されている住民発意による住宅地などの良好な環境のまちづくりを促進しようとする制度で、現在、本府も含めた十三特定行政庁で三百地区余りを認可しています。認可後は、区域内の住民による建築協定運営委員会を組織し、建築計画書の承認や協定違反への対応などの取組を行っています。 本府では、平成五年に府内の運営委員会で構成する大阪府建築協定地区連絡協議会を立ち上げ、解説冊子や会員向け通信の発行、研修会や有識者による講演を実施するなど、制度の普及啓発に取り組んでいます。 本府としては、議員御指摘のとおり、高齢化や空き家の増加等の社会経済情勢の変化から、建築協定認可後の状況について把握すべきと認識しており、各地区へのアンケート調査や市町村ヒアリング等により運用の実態を把握し、課題を抽出した上で必要な対策を講じてまいります。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 建築協定を締結している地区の中には、高齢者施設などを建てさせないというところがありまして、事業者と住民との間に摩擦が起きたり、隣接地区との住民対立の助長やトラブルの火種になっている地区もあるというふうに聞いてます。 人口減少、超高齢社会が到来している今、協定地区の実態を把握し、好ましくない傾向があれば、協定の運用ルールを変える検討を始めるべきだというふうに考えてます。 職員が、直接現地に赴くアウトリーチ型のアプローチも含め、地区の空き家率とか協定締結後に発生した課題などの聞き取りをするなど、意見の偏りをなくす工夫を行いつつ、実態把握をし、現下の課題抽出にまずは取り組んでもらいたいと考えています。そして、今日的な社会ニーズや公共の福祉に照らし、一部の住民に利する建築協定の在り方や今後の方向性については、抜本的な検討をお願いしたいというふうに思います。 最後の質問になります。 建設工事の等級区分設定に関する質問であります。 建設工事の入札参加に関してお聞きします。 大阪には、多くの建設工事の中小企業の業者があります。その中でも、チャレンジしている企業、社会貢献している企業など、いわゆる頑張っている企業をきちんと評価する仕組みが必要だというふうに考えています。 現状では、建設工事については、工事金額に応じて等級区分を設定し、その等級区分については、建設業法に基づき、事業者の経営規模、経営状況、技術的能力、その他の客観的事項について数値により評価される、いわゆる経営事項審査の総合評定値、いわゆる経審点を基に設定をされています。 府においては、これに加えて、地元企業育成のため、府内に本社のある企業に対し地元点を、行政の福祉化の観点から障がい者法定雇用率を達成している企業に対しては福祉点を、環境の取組を行っている企業に対して環境点を事業者に加算できることとして、経審点と合わせ、総合的に事業者を評価しているというふうに聞いています。 地元企業の育成のために地元点を、また福祉点など、一定の社会貢献を行っている企業が上のステージに挑戦できるという制度になっていることは、非常に好ましいと考えています。ただ、建設業界も同じ環境が続くのではなく、変化していくと思います。また、制度というのはつくったままにしておくのではなく、常にPDCAサイクルを回し、チェック、確認、見直しをすることが必要だと考えます。 こうした点について、府は、どのように対応していくのか、お聞きします。 ○議長(鈴木憲君) 総務部長太田浩二君。 ◎総務部長(太田浩二君) 建設工事の等級区分につきましては、事業者の施工能力に見合った工事発注を行い、適正な工事履行の確保を図るための制度であり、毎年工事種別ごとの等級区分の業者数、またその構成比や各事業者の経審点の変動状況について、建設工事発注部局と協議調整をし、見直しの必要性を確認しているところでございます。 今後とも、経営事項審査制度の大幅な改正など、事業者を取り巻く社会環境の変化を注視し、適切に対応してまいります。 ○議長(鈴木憲君) 植田正裕君。 ◆(植田正裕君) 現行の制度は、よい制度であるとは思いますし、確認などもされているということは分かりました。しかし、いつまでも今のままでよい制度というのはもうないと思うんですね。先ほど言いました大きな環境が変わったとか、大きな改正があったときに見直すということだけではなくて、しっかりと見直していただきたいというふうに思います。 とりわけ、過去の工事実績に偏った評価では、新しく技術を高めてきた企業や、災害復旧などで長年地域に貢献してきた企業が、低い評価のままであり続ける事態は十分に考えられると思うんですね。例えば、地元点のウエートを引き上げるべきだとか引き下げるべきだとか、災害貢献点などの新しい加点手法を追加すべきかどうかなど、時代に即して制度を変えていくべきであり、今後もPDCAサイクルをきちっと回してほしいというふうに思います。 今回の質疑応答に限らず、行政や教育に携わる皆さんとお話しをして、総じて感じることがあります。それは、PDCAサイクルをしっかりと運用するという意識がちょっと弱いんじゃないかなというふうに思っています。とりわけ、チェックとアクションに対する取組が弱いんじゃないかなというふうに考えています。逆に言うと、プランとドゥー、いわゆる計画と実行は強いんですよね。それは、基本一か年という限られた時間の中でやるべきことがたくさんあるので、必然的にやるということに注力をせざるを得ないから、結局やるということが目的化していくのだというふうに思います。 しかし、世の中は、絶え間なく移り行くものなので、行政にもいや応なしに進化が求められます。進化には、現状の把握が前提です。チェック、つまり検証には、通常、目的に対して結果を定量と定性の両面から評価することが求められます。これをしっかりとするためには、当たり前のことなんですけども、計画の段階で何をもって評価するのかといった指標、いわゆるKPIをきっちりと仕込んでおかなければいけないということであります。釈迦に説法ということでありますけども、大事なことなので、いま一度、本気に原点に戻って、しっかりとこのあたりを考えていただきたいというふうに思います。 いろいろ言いましたけれども、皆さんの部下やお仲間には、本当に志の高い方、現況に危機感を持っている方が多くいるということも私は知っています。皆さんとは、様々な場所でお話をさせていただく機会がありますが、そのときに、私の話に何言うとんねんと思っているか、せやなあと思っているかは、およそ分かるもんです。せやなあと思っている方々に一人でも多く結集いただいて、府民のための改革を断固推進していただくことを強くお願いし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(鈴木憲君) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、十二月六日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」「異議なし」) ○議長(鈴木憲君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。    -------◇------- ○議長(鈴木憲君) 本日は、これをもって散会いたします。午後四時十八分散会...